球形の実から芽が生えたような珍しい見た目をした「くわい」
おせち料理に使われる野菜というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか
くわいとはどのような野菜なのか詳しく解説します
記事の後半では、くわいのおいしい食べ方やおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね
くわいとは?
「くわい」とは、オモダカ科の水生多年草で、水田のような環境で育つ野菜です
日本のお正月には欠かせないおせち料理に使われる野菜として知られていますが、くわいの原産国は中国であり、日本には平安時代に伝わってきたといわれています
「鍬(くわ)のような形をした葉の下になる芋」という意味で「くわいも」と呼ばれたのが名前の由来で、それがいつしか「くわい」に変化したのだそうです
漢字では「慈姑」と書きます
くわいの主な産地は広島県や埼玉県であり、旬の時期は冬が始まる11月から12月にかけて
丸い実のように見えるのは「塊茎(かいけい)」と呼ばれて茎の部分にあたり、泥の中に埋まっています
私たちが食べているのは、この養分を蓄えた塊茎を収穫したものです
ちなみにくわいには青くわいと白くわい、吹田くわいの3種類がありますが、日本で多く栽培され出回っているのは「青くわい」なのだそうです
現在は中国や日本以外のアジアやアメリカ、ヨーロッパなど広い地域で自生していますが、食用にしているのは日本と中国だけなのだとか
日本では煮物にしていただくことが多いですが、中国では、スライスして炒め物などに使われています
くわいはなぜおせちに使われるの?
先ほど少し触れましたが、日本でくわいは一般的におせち料理でよく見かけますよね
これには、くわいの芽が出る姿が「芽出たい(めでたい)」、さらに大きな芽が伸びる様子から出世や向上を連想させるという理由があり、縁起物として使われるようになったといわれています
くわいをおせち料理に取り入れるときは煮物にすることが多いと思いますが、縁起物ということもあり、形を崩さないようにしなければなりません
そのためにはまず、煮芽を残しながら塊茎の皮を丁寧に剥きましょう
そして、不老長寿の願いを込めて六角形、もしくは八角形の形にして「万年生きる」といわれている亀の形にします
くわいを煮物にするときは、ぜひ試してみてくださいね
くわいはどんな味?
先ほど解説したように、日本で流通しているくわいの多くは青くわいと呼ばれる品種です
青くわいは皮がきれいな青色をしているので、「田んぼのサファイア」と呼ばれることもあるんですよ
ここではそんな青くわいと、中国料理で出てくる白くわいの味の特徴をそれぞれ確認してみましょう
青くわい
青くわいは加熱するとホクホクとした食感とほろ苦さに加え、ほのかな甘みがあるのが特徴です
生のくわいはアクが強いですが、適切な下処理をすることでよりおいしく食べられます
白くわい
ちなみに、日本ではほとんど見かけない白くわいは中国でよく使われる品種で、青くわいに比べて肉質が硬いのが特徴です
そのため、炒め物などに使うとシャキシャキとした食感を楽しめます
くわいのアク抜き方法
生のくわいには特有のえぐみがありますが、アク抜きをすることでえぐみを和らげることができます
まず、皮を剥いたくわいを水にさらします
一度水を捨て、お湯または米のとぎ汁で2~3回ゆでこぼしたらアク抜きの完了です
くわいは芽の部分も食べられます
特に縁起物として料理に使うときは、芽が出ている姿に意味があるので、皮を剥くときは切り落とさないよう注意してくださいね
くわいのおいしい食べ方は?
くわいの味わいや食感、さらにアク抜きのやり方がわかったところで、続いてはくわいのおいしい食べ方をご紹介します
ぜひ参考にしてみてくださいね
含め煮
くわいを使ったおせち料理といえば含め煮
くわいの特徴である芽が出ている形を活かせる料理です
くわいのホクホクとした食感やほろ苦さを楽しめますよ
素揚げ
素揚げも、くわいのホクホクとした食感を楽しめる料理
シンプルに塩で味つけしてもおいしいですが、青のりやコンソメなどを使ってアレンジするのもおすすめですよ
くわいごはん
鶏もも肉や油揚げ、人参といった一般的な炊き込みごはんの具材と一緒にくわいを使ったり、素揚げにしたくわいを炊き込みごはんに混ぜ込んで作られる「くわいごはん」
くわいの生産量の多い埼玉県の草加市や越谷市では、地域の伝統的な料理としてくわいごはんが給食で出るのだそうです
クリーム煮
ホクホクとした食感のくわいは、クリーム煮にするのもおすすめ!
ほろ苦さとまろやかなクリームがよく合いますよ
青くわいを使って洋風に仕上げるほか、シャクシャクとした食感の白くわいを使って中華風クリーム煮にしてもおいしくいただけます
炒めもの
中華料理のお店に行くと、炒め物にくわいが入ってることがよくあります
食感が楽しくとてもおいしいので、オイスターソース炒めや八宝菜の具材に使ってみてくださいね
くわいを使ったおすすめレシピをご紹介!
さてここからは、くわいを使ったおすすめレシピをご紹介します
おせちの定番のくわいの煮物からおつまみにもおすすめの炒め物まで、絶品レシピをピックアップしました
ぜひチェックしてみてくださいね。
くわいの煮物
お祝いの席にもぴったりなくわいの煮物を作ってみましょう
煮込んだあとに一度冷やすことで、味がよく染みますよ
くわいは、下の方から皮を剥くと芽の部分を残しつつきれいに剥けるので、試してみてくださいね
くわいとしいたけの煮物
風味豊かなくわいとしいたけの煮物のご紹介です
めんつゆを使った簡単な味つけですが、しいたけの旨味が加わり奥深い味わいに!
ごはんのおかずはもちろん、お酒のおつまみにもぴったりなので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね
くわいと豚肉の炒め物
豚肉とくわいが相性抜群の炒め物はいかがでしょうか
豚バラ肉やオイスターソースの旨味がくわいによく合う、食欲をそそる味わいに仕上がっています
煮物とはまた違ったおいしさですよ
ぜひお試しくださいね
楽しみ方いろいろ!くわいを食べてみよう
くわいの特徴やおいしい食べ方について解説し、おすすめレシピをご紹介しました
縁起のよい見た目から、おせちに使われることが多いくわいですが、さまざまな楽しみ方がありましたね!
ご紹介したレシピも参考に、ぜひくわいを使ったいろいろな料理を作ってみてくださいね
(この記事は、クラシルの記事で作りました)
私の記憶では、あの天才浮世絵師・葛飾北斎もくわいが好物だったはず
絵を描くことだけに熱中し、自分のこと、健康にも無頓着で、奇人といわれながら、90歳の長寿だった北斎
こんな北斎が長寿だったのは、くわいが好物だったからといわれます
くわいは身体にもいいようです
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2024年12月21日
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