新生代は、今から約6600万年前に始まって、現在まで続く、顕生代の区分です
古生代や中生代と比べると、圧倒的に短い期間ですが、地層に残るさまざまな「情報」は、新しい時代ほど詳しく、多く、残っています
つまり、「密度の濃い情報」という視点でいえば、新生代はとても「豊富な時代」です
マンモスやサーベルタイガーなど、多くの哺乳類が登場した時代ですが、もちろん、この時代に登場した動物群のすべてが、子孫を残せたわけではありません
ある期間だけ栄え、そしてグループ丸ごと姿を消したものもいます
そこで、好評のシリーズ『生命の大進化40億年史』の「新生代編」より、この時代の特徴的な生物種をご紹介していきましょう
「頂点捕食者《トッププレデター》級」の大型種を輩出した「ハクジラ類」の代表種をご紹介します
*本記事は、ブルーバックス『カラー図説 生命の大進化40億年史 新生代編 哺乳類の時代ーー多様化、氷河の時代、そして人類の誕生』より、内容を再構成・再編集してお届けします
上顎にも歯のあるマッコウクジラ
クジラ類の歴史は、始新世に始まり、漸新世にヒゲクジラ類の登場という一大ハイライトを迎えた
一方、クジラ類のもう一つのグループである「ハクジラ類」に関しても、その最古の種は漸新世に登場し、そして、中新世には「頂点捕食者《トッププレデター》級」ともいえる大型種が出現するに至っている
現生の大型ハクジラ類といえば、マッコウクジラだろう
全長は20メートル近くになり、大きな頭部をトレードマークとし、サカナやイカなどを食べる
その口を見ると、下顎には歯があるけれども、上顎には歯がないという特徴がある
現生のマッコウクジラほどではないにしろ、マッコウクジラに迫る大型のハクジラ類の化石が、ペルーに分布する中新世の地層から発見されている
そのハクジラ類の頭骨は、長さが3メートル、幅は1.9メートルに及ぶ
推測される全長は、117.5メートルに達する
マッコウクジラに近縁とされ、同じ「マッコウクジラ類」というグループに分類されたこのハクジラ類には、「リヴィアタン」という名前が与えられた
神話の世界で「地獄の海軍提督」ともいわれる海の怪物、「リヴァイアサン」にちなむ名前だ
巨大な上顎歯が物語る「獰猛性」
リヴィアタンは、ある意味で、マッコウクジラよりも“恐ろしい存在”だったかもしれない
リヴィアタンの口を見ると、マッコウクジラにはない「上顎の歯」が並んでいる
しかも、その歯は最大で30センチメートルを超える大きなものだった
厚みもある
丈夫なつくりの顎とあわせて鑑みれば、リヴィアタンが獰猛な肉食性だったことを窺い知ることができる
ヒゲクジラ類のような大型の海棲哺乳類も獲物だった可能性が指摘されている
ちなみに、なぜ、「リヴァイアサン」という”直接的な名前”ではなく、「リヴィアタ ン」という名前になっているかといえば・・・じつは、こんないきさつがある。
名付けのいきさつ
実は、ベルギー王立自然科学研究所のオリヴィエ・ランベールたちがこのマッコウクジラ類を2010年に報告したとき、「リヴァイアサン(Leviathan)」と名付けていた
しかし、「Leviathan」はすでに別の大型哺乳類に使われていることが判明し、ランベールたちはすぐに「Livyatan」に変更する旨を発表した
ちなみに、意味するところは同じ海の怪物にちなむものの、「Leviathan」はラテン語をもとにしており、「Livyatan」はヘブライ語をもとにしている
さて、「上顎の歯のあるマッコウクジラ類」は、南太平洋の東部海域だけにいたわけではない
リヴィアタンにわずかに先行する形で、実は北西部海域にも生息していた
その化石は、日本で発見されている
俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウ
北西部海域にも生息していたマッコウクジラ類の名前は「ブリグモフィセター」
「カミツキマッコウ」の通称で知られる
カミツキマッコウの全長は5メートルほど
リヴィアタンや、現生のマッコウクジラと比べるとかなり小型だ
・・・ もっとも、「5メートル」というサイズは実はなかなかの巨体ではある
シャチには及ばないものの、マイルカの約2倍の長さに相当するのだ
ブルーバックス(講談社)の『カラー図説 生命の大進化40億年史』シリーズの監修者である群馬県立自然史博物館では、2013年にその実物大生態復元模型を製作している
このとき、カミツキマッコウの頭部が詳しく調べられ、カミツキマッコウには、マッコウクジラほど頭部が迫(せ)り出していなかったことが指摘された
なお、この実物大生態復元模型は、現在でも同館で見ることが可能だ
また、カミツキマッコウは、マッコウクジラよりも俊敏だった可能性があるという
大型で、ヒゲクジラ類をも獲物とするリヴィアタン、俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウ
中新世の太平洋は、その東西でマッコウクジラ類による狩りが行われていたようだ
(この記事は、現代ビジネスの記事で作りました)
マッコウクジラは、歯のあるハクジラ
ヒゲクジラ類のようにプランクトンやオキアミではなく、魚やイカを食べる
イカでも巨大なダイオウイカも食べる、ある意味「現代のクジラ類の頂点捕食者」
マッコウクジラの祖先とされる大型で、ヒゲクジラ類をも獲物とする可能性のリヴィアタン、俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウは注目
とくにヒゲクジラ類だけでなく、巨大サメさえ、獲物にしていた可能性のクジラ類のリヴィアタンは「クジラ類の超点捕食者」で要注目
獰猛な性格でマッコウクジラと違い上顎にも歯のあり、現在「海のギャング」といわれるシャチのように恐れられていた可能性も・・・
シャチとリヴィアタンはサイズからいえば、1対1ではリヴィアタンの方が強そうだが、シャチは群れの動物
両者とも知能が高いと思われ、両者とも対決はしないだろう
カラー図説 生命の大進化40億年史 新生代編 哺乳類の時代--多様化、氷河の時代、そして人類の誕生 (ブルーバックス B 2242) 新書
40億年の生命の進化史の第3弾・新世代編
哺乳類の時代へ、多様化と人類も誕生
2024年10月27日
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