古代ギリシャの原子論から、コペルニクスの地動説、ガリレオの望遠鏡、ニュートン力学、ファラデーの力線、アインシュタインの相対性理論まで、この世界のしくみを解き明かす大発見はどのように生まれてきたのか?
親子の対話形式でわかりやすく科学の歴史を描き出した新刊『父が子に語る科学の話』から、偉大な科学者たちの驚くべき発見物語の一端をご紹介しよう
*本記事は、ヨセフ・アガシ著/立花希一訳『父が子に語る科学の話 親子の対話から生まれた感動の科学入門』(ブルーバックス)をオンライン向けに再編集したものです
ローマ法王を説得できなかったガリレオ
人々はガリレオを畏れていたから、かれは火あぶりにされなかった
とにかく、カトリック教徒のみんながみんな、火刑に処す人々の側についていたわけではない
ローマにあるローマ学院では、人々は天文学を勉強したし、その大学の天文学者たちはガリレオに耳を傾けた
ガリレオは、フィレンツェからローマへはるばるやってきた
かれはもう若くはなく、病気にもかかっていたが、訪れたのだ
かれは自分のつくった望遠鏡とその研究成果を天文学者たちに見せ、自分の見解について、かれらと議論をした
かれはその天文学者たちを納得させたが、ローマ法王を納得させることはできなかった
また、そのわずか12~3年前に、ジョルダーノ・ブルーノを火あぶりにしたベラルミノ枢機卿を納得させることもできなかった
ガリレオは自分が観察した月にある山やその他のものについて議論した
かれの発見でとても興味をそそられるもののひとつが、木星の衛星、すなわち木星の月だ
衛星はどうやって発見されたのか
惑星の衛星をどうやって発見するのか知っているだろうか
望遠鏡を動かして、注意深くその惑星のまわりを見回しても、見えるのはその惑星の近くにある、星のようなほんの小さな点だけだ
問題なのは、それらの点が木星の月であって、木星の近くにあるかのように見えるだけのとても離れた星ではないことをいかにしてたしかめるのかだ
衛星は惑星のまわりをいつもぐるぐる回っているから、その運動によってどれが衛星なのかわかるとおもうかもしれない
しかし、それらの点が円を描いて動くのは見えないだろう
それらが時には惑星の右に見えたり、時には惑星の左に見えたりするだけだ
観察されるのは、衛星の惑星からの距離がたえず変わるとしても、その変化がいつも小さいことだ
ただ見るだけでは衛星を観察することはできない
見て、そして、考えなければならない
衛星ならどのように見えるのかを考えなければならない
次に、それを観察できるかどうかを、見てたしかめなければならないのだ
それができなければ、たとえかなり強力な望遠鏡をもっていたとしても、衛星を発見することはけっしてできない
衛星が惑星のまわりを運動するという事実について徹底的に考えないと、衛星を発見できるはずがないのだ
それでは、何でガリレオは衛星について考えたのだろう?
衛星を探しさえすればそれを見ることができると考えた最初の人物がガリレオだったのはなぜだろうか
その理由は「月の山」にあった
コペルニクス以前の人々は、地球が宇宙の中心にあり、しかも地球は地球以外のすべての宇宙とはまったく異なっていると考えていた
地球以外の宇宙は、月、太陽そして星々からなり、それらはすべて高貴な物質でできているが、他方、地球は、泥や棒、石ころなどといったみすぼらしい物質でできている
16世紀の人々は、一方では、地球は宇宙の中心にあるからとても重要なものだと言い、また一方では、星々が水晶や火、あるいはそれらよりももっとすばらしい物質でできているのに、地球は棒や石ころのような物質でできているので、地球は「みすぼらしい」とも言ったわけだ
ガリレオは、コペルニクスの正しい面を明らかにした
なぜならガリレオは、地球と月のあいだには何の差異もないことを立証したからだ
地球と月はどちらも山があり、棒や石ころのような物質でできている
したがって、地球が宇宙の他の物体と著しく異なっていると想定する理由はまったくないのだと
(この記事は、現代ビジネスの記事で作りました)
ガリレオ(本記事内のガリレオ・ガリレイ)は、地球の衛星である月や木星の衛星から「地動説」の正しさを説いた
この説明は天文学者は納得させたが、(「天動説」を主張する聖書に帰依する)ローマ法王などは納得させられなった・・・
天才・ガリレオでさえも・・・
ちなみにアイルランド産・アイルランド調教のガリレオ(馬)という競馬の名競走馬でヨーロッパの生産界に君臨する大種牡馬はガリレオ(・ガリレイ)が名の由来とされます
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2024年08月18日
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