2024年03月08日

オオアナコンダの新種を発見、“世界で最も重いヘビ”に隠されていた衝撃の事実

見た目はそっくりだが「遺伝的に深く隔たる」種が存在していた! 南米

世界で最も重いヘビが大きな秘密を隠していたことが明らかになった
2024年2月16日付けで学術誌「MDPI Diversity」に掲載された論文によれば、南米にすむオオアナコンダ(Eunectes murinus、英名Green Anaconda)は、実際には遺伝的に異なる2つの種に分けられることがわかった
両種の見た目は非常に似ているため、専門家でさえ区別できないほどだ

「遺伝的には、違いは非常に大きいです」と、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)で、オーストラリア、クイーンズランド大学の生物学者であり、論文の著者の一人でもあるブライアン・フライ氏は言う

「遺伝的には5.5%異なります。私たちとチンパンジーの遺伝的差異が約2%だといえば、この違いの大きさが実感できるでしょう」とフライ氏は述べる

この衝撃的な発見をするために、フライ氏らはエクアドル、ベネズエラ、ブラジルなど南米各地のオオアナコンダから血液と組織のサンプルを集めた
この過程は、ナショナル ジオグラフィックによって独占的に記録されており、ディズニープラスの『Pole to Pole with Smith』シリーズで放送される予定だ

また、フライ氏らはオオアナコンダを注意深く観察し、うろこの数を数え、進化的な分岐を示す可能性がある他の身体的な特徴がないか探った

遺伝子データを解析した結果、氏らは、北部と南部のオオアナコンダの明確な違いを発見した
この発見に基づき、氏らは北部で見つかったオオアナコンダをキタオオアナコンダ(Eunectes akayima、英名Northern Green Anaconda)という別の種に分け、E.murinusは南部のミナミオオアナコンダ(英名Southern Green Anaconda)としようと提案した

フライ氏は、分析が終わったとき呆然としたと言う

「あそこまで違いがあるとは予想していませんでした」とフライ氏は言う
「本当に衝撃でした。私たちは皆、喜びのあまり踊っていました」

一見同じように見えるヘビを2つの種に分けるのは、ささいなことにこだわっているように思えるかもしれないが、フライ氏は、彼らに対する脅威を理解する上で、この区別がいかに重要であるかを強調している
現在、国際自然保護連合(IUCN)は、生息している範囲の広さなどに基づいて、オオアナコンダを絶滅リスクの最も低い「低危険種(Least Concem)」に分類している

「これは重要です。なぜなら、新たに報告されたキタオオアナコンダの生息範囲はミナミオオアナコンダよりもはるかに狭いため、より危機にさらされやすいからです」とフライ氏は言う

巨大ヘビの研究の苦労とは
 巨大なヘビの研究は簡単ではないが、その理由はあなたが思っているものとはおそらく異なるだろう

体重227キログラム以上、体長8.9メートル以上と記録されている最大のオオアナコンダは、おそらく人間を殺して食べることができるだろう
しかし、そのような事例が確実に記録されているのはアジアのみであり、しかもそのヘビの種はアミメニシキヘビだ

それでも、アナコンダを研究する仕事には別の危険がある

フライ氏は、自身の研究のためにうろこを数えていた際、ヘビの下半身に近い部分が最も参考になることがあったと言う
同時に、アナコンダは触れられている際に排便する習性がある

「大きなアナコンダを扱っていると、約1.5リットルもの便を全身にかけられることがあります」とフライ氏は笑って言う
「でも、夢をかなえているんです!」

もちろん、アナコンダは巨大で強力な捕食者だが、それはこの動物が詳しく研究されてこなかった理由の一つにすぎない
アナコンダが一生のほとんどを沼地や湿地、小川、川の濁った水中で過ごすことも、研究が進まなかった理由だ

キタオオアナコンダとミナミオオアナコンダがどのようにして別々の進化の道を歩み始めたのかを理解するには、今回のような研究がさらに必要かもしれない
フライ氏によれば、フランス領ギアナでは、この2種は反対側の川岸で見つかるほど近くに共存しているようだ
しかし、遺伝学的には交雑の証拠はない

次の研究では、フライ氏は2種の生殖器に違いがあるかどうかを知りたいと考えている
なぜなら、ヘビの多くの種は鍵と鍵穴のように互いにピッタリはまる構造を進化させているからだ
そして、2つの種の間でうまく交尾できなくなると、それらの種はさらに多様化が進みやすくなる

「1つの疑問に答えるごとに、より興味深い7つの疑問が浮かんでくるのです」とフライ氏は言う
「私にとって、それは良い研究の兆候です。良い研究とは、古い疑問に対する答えと同じくらい多くの新たな疑問を生み出すものだからです」

分けるべきか、まとめるべきか
「これは非常に綿密な研究で、私はその遺伝学的な結果を全面的に信頼しています」と、ドイツのケーニッヒ博物館の名誉スタッフメンバーで上級爬虫両生類学者のウォルフガング・ベーメ氏は述べている
「オオアナコンダに遺伝的な深い隔たりがあるという発見は重要です」

今回の研究では、キイロアナコンダ(E.notaeus)とダークスポットアナコンダ(E.deschauenseei)、ボリビアアナコンダ(ベニアナコンダ、E.beniensis)をキイロアナコンダ1種に統合すべきだという主張もしている
興味深いことに、ベーメ氏はこちらの結論にはあまり同意していない

この発見は、オオアナコンダで行われたのと同じ遺伝学的研究に基づいている
しかし、これら3種の場合はオオアナコンダとは反対に、別々の種とするほど遺伝的な違いは十分大きくないとフライ氏らは主張している

別種にするか1種にまとめるかという問題は、ある程度哲学的なものだとフライ氏は言う

「私は非常に保守的で、根は(分類群を大きくまとめたがる)一括主義者です」と氏は認めている
「ですから、私にとっては、これらを1種に統合するのが合っているのです」

ベーメ氏は納得しておらず、1種に統合しようとするのは「時期尚早」だと考えている
しかし、べーメ氏には現在のまま3種に分けておくべきだと考える十分な理由がある
なぜなら、E.beniensisは2002年に新種として発見されたばかりであり、この発見はそれ自体が重要なものだからだ

「少しひいき目があることは認めます」とベーメ氏は言う
「なぜなら、私はE.beniensisの発見に深く関わっていたからです」

(この記事は、NATIONAL GEOGRAPHICの記事で作りました)

オオアナコンダ(以下アナコンダ)は、現存するヘビで「最大クラス」といわれる

私の知識では、アナコンダはアミメニシキヘビとともに現存するヘビで最大クラスだ

最長はアミメニシキヘビとされるが、アナコンダは胴回りが太く体重の最もあるいわゆる「最大の」ヘビだ

それに最長はアナコンダだという報告もある

上記の「私の知識」は古く、現在は更新されているかもしれないが・・・

私はアナコンダが現存するヘビでは、「世界最大」だと思っています

ヘビは手足をなくす独特の進化をした爬虫類だ

それほど大きくないヘビの中には毒を使う毒ヘビも現れたが、とても長いヘビのいわゆる大蛇は長い体で獲物を「絞め殺し」捕食するようになった

体の長短に関われず獲物の体に巻き付き、獲物は丸のみだ

大蛇全書 単行本(ソフトカバー)

世界各地に生息する大蛇を紹介した「大蛇図鑑」
日本にもヤマタノオロチの伝説・神話があるように世界各地で大蛇、あるいは大蛇と似た姿のドラゴン・竜の伝説・神話などあります
大蛇の生態やそれらの伝説・神話を紹介
ヘビや大蛇が好きとはいえませんが、「気になる」存在ではあります
大蛇の図鑑も珍しいと思います
posted by june at 03:33| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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