2024年03月06日

冥王星を降格させた準惑星「エリス」に高温の中心核 ウェッブ望遠鏡で発見

冥王星は惑星なのか
国際天文学連合(IAU)の会員による投票で冥王星が降格させられた2006年以来、この問題をめぐる議論が激しく交わされている
ほとんどの人が忘れているが、この議論の根本原因は、2003年に撮影された画像から太陽系の少し外側にある冥王星に似た天体(冥王星型天体)が発見されたことだ
この天体は愛称でゼナと呼ばれていたが、後にエリスと改名された
そして間もなく、マケマケがこの仲間入りをし、その後ハウメアとセドナが加わった

IAUは、冥王星を含むこれらの天体をすべて「準惑星」に分類した
太陽から遠方に位置することから、エッジワース・カイパーベルト天体(KBO)と呼ばれることも多い
カイパーベルトは、氷に覆われた天体が分布する広大なドーナツ形の領域で、海王星の軌道の外側の太陽系外縁部にある
これらの氷天体は最近まで、寒冷で内部活動がないと考えられていた
だが、氷天体は中心部が温暖である可能性があるとの認識がますます高まっており、このたびその新たな証拠が浮上した

■活動的な天体

米航空宇宙局(NASA)の探査機ニュー・ホライズンズが2015年に撮影した氷の平原、山脈、砂丘、氷火山などの画像から、冥王星が地質学的に活発であることが明らかになったのと同様に、今回の研究によってエリスとマケマケが、どちらも活動的な天体であることが確認された

学術誌Icarusに掲載された今回の研究をまとめた論文では、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測データを用いて、氷に覆われた両準惑星の内部で熱水・変成作用が起きている証拠を明らかにしている
両準惑星の表面で検出されたメタンは、岩石質の中心核(コア)で高温の地質化学的反応が起きていることを示唆している

■熱的作用

論文の筆頭執筆者で、米サウスウエスト研究所(SwRI)の惑星地質化学の専門家、クリストファー・グレンは「寒冷な場所で、高温の時期の興味深い痕跡がいくつか見られる」と指摘した
「このプロジェクトに参加した当初は、大型のKBOには、原始太陽系星雲から受け継がれた物質が存在する古代の表面があるはずと考えていた。KBOの寒冷な表面が、メタンなどの揮発性物質を保存している可能性があるからだ」

ウェッブ宇宙望遠鏡による「予想外の」観測結果とは?
原始太陽系星雲とは、その内部で太陽系が形成された、塵(固体微粒子)と氷とガスからなる雲のことだ
「だがそうではなく、JWSTは予想外の結果をもたらした。エリスとマケマケの内部から熱的作用によってメタンが生成されていることを示す証拠が発見されたのだ」と、グレンは説明した

■地質学的に活発

遠方にある氷天体でも、地質学的に活発なら、内部に水が存在する可能性がある
木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスなど、太陽系にある複数の氷衛星に地下海が存在する証拠がある
また、土星の小型の衛星ミマスにも地下海があることを示唆する研究が発表されたばかりだ
エリスやマケマケに液体水の海があるかどうかはまだ不明だが、惑星科学者らの今後の研究対象となることは間違いないだろう
どちらかに生命生存に適した環境があれば、太陽系で最も遠方にある生命維持可能な天体となるため、これは極めて重要な研究対象だ

■動的な天体

「ニュー・ホライズンズが冥王星系をフライバイ(接近観測)してから、今回の発見があったことにより、カイパーベルトが、動的な天体が内部に存在するという点から見て、想像していたよりもはるかに活動的であることが明らかになってきている」とグレンは述べている
「JWSTのデータを地質学的な産出状態の中で捉えるために、この種の天体の別の1つをフライバイする探査機を送り込むことを検討し始めるのは、時期尚早ではない。待ち受ける驚異にきっと度肝を抜かれるに違いない」

(この記事は、Forbes JAPANの記事で作りました)

冥王星を惑星から準惑星に降格させた準惑星「エリス」に高温の中心核の可能性をウェッブ望遠鏡で発見した

太陽から遠方にある氷天体でも、地質学的に活発なら、内部に水が存在する可能性がある
木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスなど、太陽系にある複数の氷衛星に地下海が存在する証拠がある
また、土星の小型の衛星ミマスにも地下海があることを示唆する研究が発表されたばかりだ
エリスやマケマケに液体水の海があるかどうかはまだ不明だが、惑星科学者らの今後の研究対象となることは間違いないだろう
どちらかに生命生存に適した環境があれば、太陽系で最も遠方にある生命維持可能な天体となるため、これは極めて重要な研究対象だ

太陽系で地球外生命体の存在の可能性があるということです

ところで私が学校で習った時代は冥王星は惑星でした

その後、冥王星が準惑星に降格し、太陽からの太陽系の惑星の配列の覚え方も「水金地火木土天海冥(すいきんちかもくどってんかいめい)」から「水金地火木土天海(すいきんちかもくどってんかい)」に

歴史もそうですが、宇宙などいろいろと新事実・新発見などでアップデートされるんですね

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posted by june at 05:26| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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