米科学誌サイエンス・アドバンシズに8日発表された新研究によると、最後の食事は幼体の恐竜2匹の後ろ脚だった
恐竜の内臓や食生活の確固とした証拠が化石に残されているのは珍しく、ティラノサウルス科の胃の中身が見つかるのは初となる
この思いがけない事実により、今回の発見が一層わくわくする内容になった――
そう話すのは論文の共同筆頭著者で、カナダ・アルバータ州にあるカルガリー大学の准教授(古生物学)を務めるダーラ・ゼレニツキー氏だ
「ティラノサウルス科は白亜紀後期のアルバータ州を闊歩(かっぽ)していた大型捕食動物。映画や本、博物館で誰もが目にしたことのある象徴的な頂点捕食者だ。2本脚で歩行し、非常に短い腕も持っていた」(ゼレニツキー氏)
ゴルゴサウルスは後の6800万~6500万年前に登場したTレックスの近縁種に当たる
Tレックスはティラノサウルス科で最大だが、ゴルゴサウルスはそれより少し小さく、おそらく成長しても9~10メートル程度だったという
今回の若いゴルゴサウルスは350キロと馬以下の体重で、死んだ時の体長は4メートルだったとみられる
年齢は5~7歳、食べ物の好みにはうるさかったようだ
最後2回の食事で食べた獲物は「シチペス」と呼ばれる鳥に似た小型恐竜
実際に食べたのは後ろ脚のみで、胃の中に他の化石は残っていなかった
ゼレニツキー氏は「シチペス2匹を別々のタイミングで殺して、後ろ脚をちぎって食べた後、死骸の残りの部分は放置したのだろう」と推測する
ゴルゴサウルスに狩られた時、シチペスの幼体2体の年齢は1歳未満だったとみられる
ほぼ完全な状態をとどめた骨格はアルバータ州の州立恐竜公園で発見された
胃の中身が保存されていることはすぐには分からなかったものの、同州ロイヤル・ティレル古生物学博物館の職員が研究室で化石の準備を行った際、詳しく調べようと胸郭の中にあった岩を取り除いたところ、小さな骨が突き出ているのに気付いた
(この記事は、CNN.co.jpの記事で作りました)
ティラノサウルス科恐竜の最後の食事が「保存」された化石が見つかった
恐竜の内臓や食生活の確固とした証拠が化石に残されているのは珍しく、ティラノサウルス科の胃の中身が見つかるのは初となるそうだ
ティラノサウルス解体新書 単行本(ソフトカバー)
ティラノサウルスは恐竜のなかでもポピュラーで人気の高い恐竜だ
それだけに最も研究されている恐竜
食物連鎖の頂点に立つといわれる
しかしそれでも謎が多い
本書では最近分かってきたことも交えティラノサウルス類を体系的に解説
ティラノサウルスについてさまざまに分析・研究
まさに「ティラノサウルス解体新書」
さらに(全体の)恐竜研究の歩みについても触れています