2023年12月11日

ゾウの鼻はなぜ長い? 仲間の死を悲しむ知的生物・ゾウの意外と知らない進化の不思議

ゾウの鼻が長い理由を分かりやすく解説した動画がYou Tubeで注目を集めています
動画は記事執筆時点で2万4000再生を超え、「生き物って不思議」「面白い進化」といった声が寄せられています
投稿者は、サイエンスライター兼イラストレーターの北村雄一さん
奇跡とも呼べる進化の過程と、意外と知らない“長い鼻”の秘密に思わずうなります

4足歩行のまま進化することができたゾウ
ゾウの鼻はなぜ長いのでしょう
まずは、ゾウを含む脊椎動物の進化を探っていきます
脊椎動物および、知的生物である人間とオウムは、それぞれ前足、または後ろ足を“手”として扱えるよう進化しました
これは4足のうち2足を“手”に転用する必要があったためといわれています

ところがゾウは違いました
長く伸びた鼻を“手”として扱えるようになり、4足歩行のまま進化することができたのです

偶然がもたらした奇跡の進化
時代を3700~3000万年前へさかのぼります
このころエジプトにいた「メリテリウム」という種類が、ゾウの初期の姿といわれています
大きさは2メートルぐらいで、水辺に住むカバのような動物でした
頭骨を見ると鼻は頭部の前にあり、一般的な哺乳類と同じ構造です
このころは今のように鼻が伸びていなかったことが分かります

その後「フィオミア」という種類へ進化し、鼻孔は目の前の辺りへ移動
長い鼻を持つバクと同じような見た目になりました
このころ鼻の付け根が筋肉で構成され、自由に鼻を動かせるようになります

「ゴンフォテリウム」という種類へ進化すると、上顎と下顎が長く伸びました
それと同時に鼻も伸び、現在のゾウの姿と近くなります

さらにその後「ステゴテトラベロドン」という種類へ進化し、牙が長くなります
また土台である上顎と下顎の縮小が始まり、伸びた鼻はそのまま残りました
下顎の骨の先端が下を向いたことで、現在のゾウとよく似た姿形になります

鼻の進化は“脳の進化”も促した
さて、現在のゾウの姿を見てみましょう
下顎の牙が失われ、長い鼻が残っています
ゾウの鼻は、これまで長かった下顎が支えていたからこそ伸びることができ、完成された器官として残すことができたのです

またゾウは仲間の死を理解し、遺骨を慈しむ高度な認知能力を持つといわれています。
この認知能力は、鼻を操作するためには脳の発達が必要とされることから、向上したとされています
鼻の進化は結果として、脳の進化も促したといえるでしょう

北村さんいわく、このような進化をたどった哺乳類は他にいないとのこと
さまざまな偶然が重なり、自由に扱える鼻を手に入れた過程は、まさに奇跡といえますね

生き物の進化は面白い
 この動画には、「貝が浮力を得たことで足がフリーになってタコのように賢くなれたみたいな感じですね」「象だけは器用に操作できる鼻という新しい『脚』を獲得していて、おもしろい進化だなって思う」「生き物って不思議です」と、生き物たちの進化の過程に再注目する声が寄せられています

生物進化から天体まで幅広い分野で活躍する北村さん
著書『ダーウィン『種の起源』を読む』(化学同人社)では、科学ジャーナリスト賞大賞2009を受賞しました
You Tubeチャンネル「サイエンスライター北村雄一の地球放送」では、地球や宇宙、そこに住まう生物の歴史を分かりやすく解説しています

(この記事は、ねとらぼの記事で作りました)

ゾウの鼻はなぜ長いかの解説から鼻を手のように扱えるようになったゾウは脳の発達も促したとしています

キリンの首が長くなったのは、より高くの(えさになる)植物を獲得できるように進化したためといわれます

このような生存競争でより有利となった種が勝ち残ったとされています

これが「ダーウィンの進化論(「種の起源」)とされています


ダーウィン『種の起源』を漫画で読む 単行本

誰もが知っているダーウィンの進化論について書かれた名著「種の起源」を漫画で分かりやすく楽しく解説
posted by june at 10:08| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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