25日午前9時から同所で始まった対局は、先手の藤井が激しい攻め合いを制した
これで3勝2敗として、初防衛まであと1勝とした
第6局は3月11、12日、佐賀県上峰町「大幸園」で行われる
負けはしたものの、羽生九段の粘りが光った
激しい攻めへの対応に追われていた
自玉は押しつぶされそうだった
藤井王将の鋭い仕掛けに髪の毛をかきむしったり、額に左手を当てながら苦慮する
時折「うーん」と盤の前でうなりながら、体を前後に揺らす
努めてポーカーフェースを装うはずが、苦しい様子が色に出る
それでも、なかなか決め手は与えない
最善を尽くして受けた
強烈なパンチの応酬が一段落すると、4筋の最下段に金を打ち、自陣に手を入れて藤井王将の踏み込みをかわす
経験値を生かして局面を複雑化させ、相手の時間を削る勝負術で、1度は局面をひっくり返したかにみえた
寄せ合いで屈しはしたが、見せ場たっぷりだった
今期の挑戦者決定リーグ戦で2勝、本年度は後手番で7勝3敗と好調で、小学校低学年時代に将棋を覚えた頃から得意としていた横歩取りに誘導した
飛車と角を取り合い、ぶつけ合う
32歳の年齢差は感じさせなかった
今期の王将戦は、第4局までお互いに先手番で勝ち星を挙げている
第4局(9・10日、東京都立川市「SORANO HOTEL」)の前日検分時、「後手番が2局ありましたけど、自分の方がハッキリ有利という瞬間は1回もなかった」と話した
藤井王将の強さを改めて実感する一方、チャンスをうかがう指し回しは、藤井王将も脅威に感じたに違いない
次は先手番
第2局は相掛かり、第4局は角換わり腰掛け銀と、タイトル戦11回連続勝利を挙げている藤井5冠の得意戦法にあえて踏み込んで快勝している
タイに追いつけるか
第6局でかど番をしのいで、最終第7局(3月25、26日、栃木県大田原市「ホテル花月」)に望みをつなぎたい
(この記事は、日刊スポーツの記事で作りました)
藤井王将はこれで初防衛にあと1勝とした
今シリーズは羽生九段の善戦もあり、見ごたえがある
このまま藤井王将が押し切るのか、羽生九段がタイとするのか
次の第6局も注目だ
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