日中国交正常化から29日で50年を迎えた
経済的な結び付きが強まる一方、国力の増大を背景に軍事的な威圧を周辺に繰り返す中国への拭いがたい警戒感から、国内は祝賀ムードに乏しい
最近は沖縄県・尖閣諸島をめぐる緊張が高まり、「台湾有事」も取り沙汰される
くすぶる火種は対話に影を落としており、関係改善と悪化の歴史を重ねる日中の将来は見通せない
岸田文雄首相は22日、米ニューヨークでの内外記者会見で「建設的かつ安定的な日中関係を構築していく」と意欲を示した
来日した中国の万鋼全国政治協商会議副主席は28日、岸田首相と習近平国家主席が29日に祝電を送り合うと明らかにしたが、首脳同士の対面会談2019年12月を最後に途絶えている
日中は1979年9月29日の共同声明調印で国交を正常化
1978年に平和友好条約を結んだが、1980年代に歴史教科書や中曽根康弘首相の靖国神社参拝といった歴史認識問題で摩擦が生じた
1989年の天安門事件で中国が国際社会から孤立した際、日本が先進7カ国(G7)の中でいち早く関係改善に動くと中国は評価
1992年の天皇、皇后両陛下の訪中、1998年の江沢民国家主席来日と改善基調が続いた
この後も「対立」と「友好」は繰り返される2000年代には歴史認識問題が再燃し、中国各地で反日デモが広がるなど関係が冷却化
「戦略的互恵関係」を掲げた安倍晋三首相の訪中、福田政権時の胡錦濤国家主席来日で正常化したかに見えたが、2012年の野田政権による尖閣国有化などで関係はまたもや悪化に転じた
政権復帰した安倍首相が2018年に北京を訪れ、習主席に「競争から協調へ」の原則を提案
これ以降、日中は微妙な距離を保った
(肩書は当時)
近年は米中が覇権争いで対立する中、中国の海洋進出が激化
海警局の船による尖閣周辺での航行が常態化し、日本は対応を強いられている
岸田政権下では今年8月に台湾周辺で軍事演習した中国の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾
中国の動きに「台湾有事」への懸念も高まる
ただ、岸田首相は「対話は常にオープン」との立場で、中国との関係進展の糸口を探る
ミサイル着弾直後に秋葉剛男国家安全保障局長が訪中し、外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員と約7時間のロング会談に及んだのもそうした意思の表れとみられる
政府関係者は「課題があっても意思疎通を重ねる」と強調する
当面は11月の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた首脳会談が開かれるかが焦点となる
ただ、中国側の出方は見えず、軍事的な動きが収まる気配はない
日本外務省幹部は「変化を待つしかない」と語る
2019年12月以来、首脳同士の対面対談が途絶えている
(この記事は、時事通信の記事で作りました)
29日に日中国交回復50周年を迎える
日米関係もあり、中国との関係も微妙だ
台湾問題、香港問題、尖閣問題などもあり、2019年12月以来、首脳同士の対面対談は途絶えている
私事だが、1989年9月から1年ないし2年の中国留学を予定したが、1989年6月の天安門事件により留学を断念した経緯がある
日本は恨みなどを「水に流す」の考え方があるが中国では恨みは忘れないとの考え方も強い
日中国交正常化 - 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦
日中国交正常化に挑んだ当時の田中角栄首相、大平正芳外相、官僚らの挑戦
2022年09月30日
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