2021年11月12日

iPS細胞による卵巣がんの免疫療法の治験、京大が初移植

11日に、京大の金子新教授らの研究チームは人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した「NK(ナチュラルキラー)細胞」という免疫細胞を卵巣がん患者の患部に移植し治療するがん免疫療法の治験を開始したと発表した

既に9月、国立がん研究センターで最初の移植手術を実施

手術は成功して容体は安定し、患者は退院したという

治験の対象は国内で年間約1万人発生している卵巣がん患者の15~20%を占め、抗がん剤が効きにくいとされる卵巣明細胞がんの重症患者6~18人

今年3月、国の審査機関である薬品医療機器総合機構(PMDA)に実施を届け出て認められた

iPS細胞を使ったがん免疫療法の治験は千葉大などが昨年、別の免疫細胞で実施しており、今回は国内で2番目の取り組みとなる

計画では、健常者の血液から作ったiPS細胞に、がん細胞を認識し攻撃する能力を強化する遺伝子を導入し、培養して大量に増やす

その後、リンパ球の一種でがん細胞を攻撃する働きを持つNK細胞に変化させ、患者の体重1キロ当たり50万~300万個を最大4回注射で移植し、治療の安全性や有効性を確かめる

初の移植では、50歳代の女性患者に3回投与した

金子教授は同日の記者会見で「1例目を安全に行うことができてほっとしている。有効性も確認し早く患者に届けたい」チ話した

体の免疫機能を維持・強化することでがんを治療する免疫療法には、患者自身から採取したNK細胞を培養・増殖し体内に戻す方法もあるが、十分な量を得るには時間も手間もかかる

だがiPS細胞を使えば大量増殖が可能で、多くの患者を十分な量のNK細胞で迅速に治療できる

(この記事は、産経新聞の記事で作りました)

iPS細胞の可能性が広がりますね

安全性や有効性が確認できるといいですね


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iPS細胞の研究室:体のしくみから研究の未来まで
posted by june at 12:03| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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