2025年03月23日

【海から来た神】オオクニヌシの国づくりとは?

オオクニヌシの国づくり
海から来た神
【兄弟で国づくりを進める】

かくしてイザナミノミコトの死から長い間中断されていた国づくりが、オオクニヌシノカミによって、再開されます

オオクニヌシノカミが御大の御前(みほのみさき)(島根半島東端の岬)に出かけたときのこと
波の上をガガイモというつる草の実の船に乗り、蛾(が)の皮を剥いでつくった着物を着た神が近づいてきました
名前を尋ねたものの、その神はお答えになりません
お供の神々に尋ねても、誰も知らないといいます

このとき、ヒキガエルがクエビコノカミ(久延毗古の神)に尋ねてはどうかと提案しました

クエビコノカミとは案山子(かかし)のことで、歩くことこそできないものの、天下のあらゆることに通じている神です

さっそくクエビコノカミに尋ねたところ、海の彼方からやってきたその神は、八十神に殺されたオオクニヌシノカミを生き返らせてくれた別天つ神、カムムスヒノカミの息子で、名をスクナビコナノカミ (少名毗古那の神) ということがわかりました

念のためにとカムムスヒノカミにも尋ねてみたところ、

「これは本当に私の子だ。たくさんいた子の一人で、指の間から落ちて行方知れずになっていた子である」
と認めました

そのうえで、オオクニヌシノカミに、
「スクナビコナノカミと兄弟になり、力を合わせて国づくりを完成させるように」
と命じました

カムムスヒノカミから命じられるまま、オオクニヌシノカミとスクナビコナノカミは一致協力して、国づくりを進めていきます

ところが、しばらくするとスクナビコナノカミは*常世(とこよ)の国(くに)へ去ってしまいました

オオクニヌシノカミは途方に暮れて、言いました。

「私だけで、どうして国づくりができるというのか。どの神なら手を貸してくれるだろうか」

すると、海の彼方から輝きを発しながら近づいてくる神がありました
その神がいいます

「私の御霊(みたま)を丁寧に祀るならば、国づくりに協力しよう。そうしないと、国づくりを完成させるのは不可能であろう」

オオクニヌシノカミがどう祀ればよいのかを尋ねると、その神が答えました

「大和(やまと)の青々とした山並みの、その東の山の上に祀ればよい」

これが、御諸山(みもろやま)(奈良県の三輪山) の上に鎮座(ちんざ)しているオオモノヌシノカミ (大物主の神) です

こうしてスクナビコナノカミが常世の国へ去って、一度は頓挫(とんざ)した国づくりも、オオモノヌシノカミの出現により、歩みを進めることになります

* 古代日本において信仰された、海の彼方にある理想郷。


海の彼方から光り輝く神が現れた


オオクニヌシは御大の御前の地で出会ったスクナビコナノカミと国づくりを再開する


古事記伝承の地をめぐる国づくり

国づくりから国譲りまでの舞台となる御大の御前は、現在の島根県松江市にあるとされています。

美保関(みほのせき)の海と岬。島根県松江市。島根半島の最東端に位置する。

美保(みほ)神社。島根県松江市。オオクニヌシの子であるコトシロヌシが祀られている。このあたりには、コトシロヌシやオオクニヌシ、スクナビコナ、クエビコなどの国づくりや国譲りで活躍する神々を祀る末社(まっしゃ)が点在している。


国づくりでオオクニヌシを助けた二神

三輪山。ふもとに位置する大神神社には、オオモノヌシを祀る。


穀物の種の化身であるスクナビコナと国土の神であるオオクニヌシがともに国づくりを行なうことで、豊かなものを生み出す国となる。

オオモノヌシの「モノ」は、畏怖すべき精霊を意味する。オオモノヌシを三輪山に祀ることで、できた国を不動のものとして確立し、国づくりを完成させた。


小さきものへの信仰
スクナビコナは、カムムスヒノカミの指の間からこぼれてしまうほどの大きさだったことから、一寸法師の原型とする説もあります。日本に伝わる説話には、ほかにも、かぐや姫や瓜子姫など、“小さきもの”の物語が多く存在します。“小さきもの”は、古代において、信仰の対象や英雄の誕生譚であったのです。


スクナビコナノカミの正体
スクナビコナの親であるカムムスヒノカミは、スサノオが殺したオオゲツヒメから生まれた五穀から種をつくりました。このことから、カムムスヒノカミには種神の性格があることがわかります。カムムスヒノカミの手からこぼれ落ちたということからも、スクナビコナには穀物の種の化身の性質があると考えられます。


【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 古事記の話』監修:谷口雅博

(この記事は、ラブすぽの記事で作りました)

オオクニヌシの国づくり

イザナミノミコトの死から長い間中断されていた国づくりが、オオクニヌシノカミによって、再開されます

オオクニヌシノカミとスクナビコノカミより進められます

スクナビコノカミが常世の国へ去ります

スクナビコナノカミが常世の国へ去って、一度は頓挫(とんざ)した国づくりも、オオモノヌシノカミの出現により、歩みを進めることになります




眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 古事記: 日本の起源まるわかり!愛と浪漫の神様の物語 単行本

時代を超え読み継がれている日本最古の歴史書『古事記』
3分の1が神話だという
天皇の正統性を主張しているという
posted by june at 12:19| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【エジプト神話】苦難の母子「イシスとホルス」の伝説とは?

苦難の母子、イシスとホルス
偉大な女神である母の助けを借り覇権を勝ち取った息子

オシリスの妻イシスは、理想の妻であり母であるとされています
弟の策略でナイル川に流された夫オシリスの棺を取り戻すために、流れついた先で乳母として数年間働いたこともありました。

不義の子として生まれてすぐに捨てられたアヌビスを、拾って育てたのもイシスです
このため豊穣の女神であるとともに、慈愛と母性の象徴でもありました

そんなイシスが、バラバラになった夫オシリスを再生させ、その間に生まれた息子がホルスです

遺体の再生時、男性器だけはナイル川の魚に食べられてしまったため、イシスが魔力を使って夫との間に息子を授かったという言い伝えも残ります。

イシスは、夫や自分、そして息子を憎むセトから隠れながら、ホルスを立派に育てます
青年になったホルスは、セトが父から奪った地上の王の座を奪還すべく戦いを挑みました

神同士の戦いは熾烈を極め、一進一退の攻防が続きます
ここでもイシスは、策略や魔術を駆使して息子の加勢をしたといいます

最終的に神々が相談
さらにオシリスが冥界から現れてホルスを推したことにより、ホルスがエジプトを治めることとなりました

※ナイル川:ギリシャの歴史家、ヘロドトスは「エジプトはナイルのたまもの」と言った。豊かな水をたたえ、年に数か月の洪水によって豊かな土壌をもたらすナイル川によって、砂漠の地エジプトに高度な文明が築かれた。

オシリスの家族~理想の妻と息子~

イシス
人の姿で表され、良妻賢母の典型とされた
頭に玉座を乗せ、パピルスの杖を手に持つ
「死者の審判」では、夫オシリス神の背後に、オシリス神の妹とともに立ち見守る

ホルス
ハヤブサの頭をしている
ハヤブサそのものの姿で描かれることもある
右目は太陽、左目は月を指すと考えられた
「死者の審判」では、心臓の計量を終えた死者を父オシリス神のもとへ導く


『死者の書』と死後の世界
人間は死後、死者の審判を受けて生前の行動について裁かれると古代エジプト人は考えたこれを記したのが『死者の書』で、ミイラとともに埋葬された
裁判は裁判官を執行する42の神と、裁判長である冥界の王オシリスが行なう
死者の心臓は、冥界の神アヌビスが見守る秤にかけられ、傾いたら(罪人であったら)死者は二度とよみがえることはできない
潔白であれば理想の楽園へ立ち入ることが許される

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介

(この記事は、ラブすぽの記事で作りました)

【エジプト神話】苦難の母子「イシスとホルス」の伝説とは?

苦難の母子、イシスとホルス
偉大な女神である母の助けを借り覇権を勝ち取った息子

オシリスの妻イシスは、理想の妻であり母であるとされています
弟の策略でナイル川に流された夫オシリスの棺を取り戻すために、流れついた先で乳母として数年間働いたこともありました。

不義の子として生まれてすぐに捨てられたアヌビスを、拾って育てたのもイシスです
このため豊穣の女神であるとともに、慈愛と母性の象徴でもありました

そんなイシスが、バラバラになった夫オシリスを再生させ、その間に生まれた息子がホルスです

イシスは、夫や自分、そして息子を憎むセトから隠れながら、ホルスを立派に育てます
青年になったホルスは、セトが父から奪った地上の王の座を奪還すべく戦いを挑みました

神同士の戦いは熾烈を極め、一進一退の攻防が続きます
ここでもイシスは、策略や魔術を駆使して息子の加勢をしたといいます

最終的に神々が相談
さらにオシリスが冥界から現れてホルスを推したことにより、ホルスがエジプトを治めることとなりました


オシリスの家族~理想の妻と息子~

イシス
人の姿で表され、良妻賢母の典型とされた
頭に玉座を乗せ、パピルスの杖を手に持つ
「死者の審判」では、夫オシリス神の背後に、オシリス神の妹とともに立ち見守る

ホルス
ハヤブサの頭をしている
ハヤブサそのものの姿で描かれることもある
右目は太陽、左目は月を指すと考えられた
「死者の審判」では、心臓の計量を終えた死者を父オシリス神のもとへ導く


『死者の書』と死後の世界
人間は死後、死者の審判を受けて生前の行動について裁かれると古代エジプト人は考えたこれを記したのが『死者の書』で、ミイラとともに埋葬された
裁判は裁判官を執行する42の神と、裁判長である冥界の王オシリスが行なう
死者の心臓は、冥界の神アヌビスが見守る秤にかけられ、傾いたら(罪人であったら)死者は二度とよみがえることはできない
潔白であれば理想の楽園へ立ち入ることが許される



眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々: 個性豊かで魅力たっぷり!神様のキャラクターを大解説 単行本

世界には様々な神話がある
各々の神話の特徴と神々のキャラクターを紹介
そこには、文化や死生観、宗教観、思想観などもうかがえる
posted by june at 04:15| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする