2025年01月14日

「クリスマスも正月も祝う」日本の不思議な価値観 多様な宗教が受け入れられた背景

日本史と地理は、別々の科目として学びますが、多くの接点があります
『日本史と地理は同時に学べ!』を上梓した駿台予備校地理科講師の宇野仙氏が日本で多様な宗教が受け入れられている背景を解説します


■多様な宗教が生活に根付く

多くの日本人は、年末年始にキリスト教の行事であるクリスマスを祝います
テレビでは「クリスマス特番!」と題し、クリスマスプレゼントを渡し合う光景が流れます

その数日後の正月になると、今度は神社に「初詣」という形でお参りに行きます
「神様、今年も良い年でありますように」と祈るわけです
一方で、葬式の際にはお坊さんを呼び、お寺にお墓を作ってもらう人がほとんどです

もっと言うのであれば、「結婚」と聞くと多くの日本人は「ウェディングドレスを着て教会で式を挙げる」イメージを抱くのではないでしょうか
教会で式を挙げるのも、クリスマスと同じくキリスト教の文化ですよね

日本人の日常生活には、なぜたくさんの宗教が受け入れられているのでしょうか?  
地理と日本史の両方の観点から、このような不思議な状況が発生することになった原因をお話ししていきたいと思います

そもそも、宗教はどのようにして生まれ、どうして人々の間で信仰されるようになったのでしょうか?  
いちばんの要因として挙げられるのは、共同体を維持するうえで有効だからです

人口が増えると、人々が仲良く暮らす必要性が自然と高まります
例えば、飢えで苦しんでいる人がいるとしましょう。そして、その人の前をちょうど通りかかったあなたの手には、パンがあります
あなたもお腹が空いているので、自分のパンを分け与えるかどうか少し悩みます

そんなときに、神様を信じている人であれば、パンを分け与える選択を取りやすいでしょう
「もし死後の世界があったとして、『あのとき、どうしてあの人を助けなかったのだ?』と聞かれたらどうしよう」と思えば、自分のパンを分け与える選択をするわけです

神様を信じていれば、人々は助け合うことができるようになる
だから宗教は、国を統治するために必要なものとして機能します
これが、全世界的に宗教が発生し、それが広まった理由なのではないかと言われています

■稲作文化の日本でも宗教は不可欠

日本においても、宗教は不可欠でした
日本は稲作文化なので、共同で農業をする必要があり、手と手を取り合って稲作を行わないと、全国民が飢えてしまうリスクがあったのです

米は栄養価が高く、非常に優れた食糧です
一方で、戦乱の元になってしまうリスクが大きい食糧であるとも言えます

また、川から水を引いて稲作をするためには、大規模な灌漑工事や関係者の利害調整のコミュニケーションが必須になります

水源や水路を決めなければなりませんし、上流で水を取りすぎてしまうと下流でなかなか取れなくなってしまうので、場所ごとに引く水の量に対する取り決めを設けることも必要です

水路の整備に付随する作業を滞りなく進めるには、全体の指揮を執るリーダーの存在が不可欠です
リーダーの指揮のもと、灌漑工事をしたり、水の配分を決めたりする必要が生まれたことが、身分の差をつくることにつながった1つの要因ではないかとされています

そして、そうしたリーダーの誕生や身分の差は、不満や怒りの感情を生みやすいため、当然ながら戦乱をもたらすことになります

稲作文化がある中国やインドでも同様の現象は発生していたのですが、日本の場合は特に顕著でした
日本は、山の多い地形で、川もほかの国に比べて多くの急流があります

急流である分、灌漑の整備も大規模になりがちです
また、山が多いということは平地も少なく、農業に適した土地と、そうでない土地で差が出てしまいます

そうすると、農業に適した土地を人々の間で奪い合う状況が発生するわけです
それが、日本の数々の騒乱につながった、と考えられます
そしてそんな日本において、宗教は必要不可欠なものだったと考えられます

さて、そもそも昔から日本人の多くは、日本古来の考え方であり八百万の神を祀る「神道」と、ブッダを開祖として輪廻転生と解脱を説く宗教である「仏教」の2つを同時に信仰していました

このような状況が発生したのは、6世紀のこと
大陸から伝えられた仏教の扱いをめぐり、当時の日本の有力者の意見は2つに分かれました
「仏教を広めるべきだ」という蘇我氏と、「広めるべきではない」という物部氏の対立です

■神道も仏教も日本の統治に必要だった

この対立こそ、いわゆる「崇仏論争」と呼ばれる争いです
最終的には蘇我氏が勝利し、先にも触れた通り、現在の仏教と神道が結び付いた日本の不思議な宗教観になったというわけです

神道と仏教は、両方とも日本の統治に向いていました
神道は、天皇の威光を示すために必要でした
そして、人々が規律を守って生きるために、「不殺生(生き物を殺してはならない)」という仏教の考え方も必要だったのです

このように、必要なもの同士が手を取り合うことで、現在の日本の独特の宗教観が形成されたと考えることができます

少し時代が飛んで、戦国時代から江戸時代にかけて、今度はキリスト教が日本に到来しました
イエズス会のフランシスコ・ザビエルをはじめとして、宣教師たちによってキリスト教が広められたのです

ところが、キリスト教の場合、仏教とは違って神道と融合することはありませんでした
神道だけでなく、キリスト教は仏教とも融合していません

その理由は、いろいろと考えられますが、有力な説としては、「仏教と神道が共に多神教なのに対して、キリスト教は一神教だった」ということです

仏教も、神道も、複数の神様を信仰しています
日本において仏教と神道、ともに信じる人が多かった理由の1つは、「(多神教であるため)仏教を信じるからと言って、神道を捨てることにはならなかったから」と考えられるのです

それができたからこそ、仏教と神道は両方日本で受け入れられてきたわけです

■1つの神を信じるキリスト教

ところが、キリスト教を信じることは、複数の神様ではなく、1つの神様のみを信じなければならないことを意味します
つまり、神道や仏教は捨てなければならないということです
そのため、キリスト教は日本の宗教との融合は進まなかったと言われています

しかし、逆に言えば、日本人は多様な宗教を受け入れてきたからからこそ、同時に「キリスト教も受け入れる」ということができたのではないかと言われています

今、キリスト教のしきたりも日本人の文化として受け入れられているのは、こうした理由からなのではないかとされています

いかがでしょうか?
年末年始のシーズンは、さまざまな宗教に触れることが多い時期です
こんな時期だからこそぜひ、改めて歴史を学んでみてもいいのではないでしょうか

(この記事は、東洋経済 ON LINEの記事で作りました)

多くの日本人は無信仰でありながら多くの宗教を取り入れてます

多くの日本人は無信仰「状態」ながら多くの宗教の「文化」を取り入れています

この宗教に対する「柔軟性」「多様性」「懐の深さ」が個人的には好きです

文化での受け入れも時代で変わってきており、「ハロウィン」や節分の「恵方巻き」も浸透するようになってきました



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posted by june at 12:23| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NY株は大幅反発・ナスダックは小幅続落

13日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)は、前週末に昨年11月上旬以来の安値をつけた反動から、反発し、終値は前日比358ドル67セント高の4万2297ドル12セントと4万2000ドル台を回復

ハイテク株中心のナスダックは米国のバイデン政権が13日、半導体大手エヌビディアなどの人工知能(AI)向け半導体の輸出規制を強化すると発表したことを受け、エヌビディア株は2%安となったなどもあり、73.53ポイント安の1万9088.10

S&P500は9.18ポイント高の5836.22


13日(日本時間)の日経平均株価は成人の日でお休み


(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)

13日のダウ平均株価の終値は前日比350ドル超の大幅下落
posted by june at 07:03| Comment(0) | 株価動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラーテルは気性が荒くライオンや水牛に攻撃することも!サバンナ最恐と言われる理由とは?

ラーテル

ラーテルはイタチの仲間で、別名をミツアナグマと言います
食に関して非常に貪欲でなんでもよく食べますが、中でもハチミツに目がありません
ハチの巣を見つけると、ハチに刺されることも恐れず、蜜を舐め続けます

ラーテルは、蜜を得るためにミツオシエなどの鳥類と共生関係にあるという説があります
ミツオシエは空を飛びながらハチの巣を見つけると、鳴き声でラーテルにそのありかを知らせようとします
ミツオシエについて行ったラーテルはハチの巣を壊して蜜を舐め、ミツオシエはおこぼれの蜜蝋にありつくのです
しかし、本当に共生関係にあるかどうかは定かではなく、はっきりとしたことは分かっていません
実際に、ラーテルがハチミツを舐めた後にミツオシエが蜜蝋を食べることはあるものの、それが互いに協力しようという意思に基づいた行動とは言い切れないようです


ラーテルのハンターとしての武器は、穴を掘るのに適した爪と鋭い牙です
ミーアキャットやネズミの巣穴を掘ってこれらを捕食したり、牙でカメの甲羅を噛み割って食べたりします
ラーテルは気性が荒く、特に繁殖期になると、捕食こそしませんがライオンやアフリカスイギュウなどに攻撃をしかけることもあります
ラーテルが強気でいられるのは、その強靭な皮膚のおかげです
皮膚はブヨブヨとしていて弾力があり、ライオンの牙やカギ爪でも引き裂くことができません
さらには、危険を感じると臭腺から強烈な臭いを発して敵から逃れます
また、ヘビの神経毒に対しても強い耐性を持つため、コブラの毒牙をも恐れません
そのため、ギネスブックに「世界一怖い物知らずの動物」として登録されています

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数

(この記事は、ラブすぽの記事で作りました)

ラーテルを見ると、スカンクに似ています

危険を感じると臭腺から強烈な臭いを発して敵から逃れます

さらに気性も荒いですが、強気なのは抜群の防御力があり、ブヨブヨの皮膚でライオンの牙や爪でも引き裂けず、ハチも恐れず密を食べ、ヘビの神経毒に対しても強い耐性を持ち、コブラも恐れず・・・

そのため、ギネスブックに「世界一怖い物知らずの動物」として登録されています




眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話: 生きるために進化した生物たちの狩りワザを解説! 単行本

陸・海・空のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介
私は動物に興味があり今泉忠明氏の関連本も多く愛読しました
posted by june at 04:28| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする