2024年12月06日

最新科学で解き明かす、驚くべき『うんこの世界』を読む

タイトルにうんこ、表紙にもうんこ
この本について語るのに、うんこを避けて通ることはできない

2015年に刊行された『The Life of Poo』の訳書である、10月29日発売の『うんこの世界――細菌とわたしたちの深い関係』(増田隆一 監修、梅田智世 訳、晶文社)は、人間の体を多様な細菌の存在するひとつの生態系と捉える。そこに広がる世界を、イギリスの学者でBBCのキャスターもつとめる著者のアダム・ハートが探索
我々の生活に細菌がどのような影響を与えているのかを、全11章に渡り軽妙な語り口で、うんこを軸に解説していく

第1章「気持ちよくうんこしていますか?」で、細菌のことを知るためのスタート地点となる「口」
そこは温かく湿った、細菌の増殖にうってつけの場所である
口腔細菌と虫歯とのつながりが証明されたのは、1960年代のこと
悪さをするのは1種類だけではなく、これまでに虫歯と関係する75種類が見つけられ、歯周病の部位でも何百種類にもなるという
口腔全体では750種類を超える細菌の存在が特定されており、全部で25000種類に達する可能性もある
とてもではないが、歯磨きで一掃できる気がしない

著者は細菌に対して脅威を覚えるような数字や言説を、本書の中であえて何度も出してくる
そしてその都度、〈そこにどんな細菌種がいて、有害な細菌がどれくらい存在しているのか。それがわからなければ、こうした抽象的な「大きい数字」はたんなる見せかけでしかない〉などと注意を促しながら、細菌との適切な距離感を読者に植え付けようとする
ところが第2章「既知の菌の九九%を除去します」では、冷静ではいられなくなるような、衝撃の説が飛び出す

〈あなたは自分を食糞者とは思っていないかもしれないが、まぎれもなく食糞者である〉

微量のうんこが接触した表面に触れた手で口を触って、トイレを流した際に発生するうんこ由来の細菌を含んだエアロゾルを通じて、そのエアロゾルを浴びた歯ブラシを口に入れて
我々は何らかの形でわずかにせよ、うんこを口に入れている
だからといって誰もが、病原性大腸菌によって胃腸炎や食中毒に度々罹るわけでもない
その理由は、うんこが媒介する大腸菌のほとんどは無害であるから
〈細菌について闇雲に不安になる必要はない。気をつけてさえいればいいのだ。心配なら、肘を使ってドアを開ければいい。ただし、そのあとで肘をなめないように〉

第6章「内なる世界」では、腸内細菌が食物の消化と金属吸収を助け、一部のビタミンを供給し、有害な病原性細菌の増殖を抑える働きまですることも明らかとなる
それなら悪い菌を取り除いて、体に良い菌だけを体内に残せばいいのでは?という考えも頭をよぎる
だが、第5章「耐性はむだではない」で紹介される、抗生物質耐性を持つに至る細胞の急速な進化を知った後だと、所詮無理な話だと打ち消さざるを得ない
なにより、第4章「握手を(とくに男性と)するときにはよく考えたほうがいい理由」を読んだ後だと、手洗いもろくに出来ていない人間が何を図々しいことを考えているのだと、反省もしてしまう

病原菌の存在しない未来を期待する人からすれば不満だろうけれども、本書ではこうしたスッキリしない話の詳細こそが、トイレでじっくり読み耽りたくなるほどに面白い
たとえば、細胞が抗生物質の耐性を獲得するメカニズム
そこでは環状DNA分子「プラスミド」がUSBドライブのように働き、コンピュータ間・・・ではなく細胞間で耐性遺伝子が広まっていく
抗生物質の効かなくなることに恐ろしさを抱くよりも先に、そのよくできた細胞のシステム設計に感心してしまう

腸活ブームによって注目を浴びる、有益な細菌を含む調合物「プロバイオティクス」だが、高価なヨーグルトなどのプロバイオティクス食品について、効果を裏づける証拠はほとんどないらしい
第10章「それ、本当に食べますか?」でのそんな残念な話は、発想の転換によって新たな展開を見せる

プロバイオティクスを腸までの道のりの遠い口から摂取するよりも、多くの細菌を含むうんこを肛門から体内に押し込んだ方が近道だし、効果もあるのではないか?という身も蓋もない論理から導き出される摂取方法
それが実際に存在しているのである
ドナーから採取して処理したうんこを被移植者の腸に挿入する「糞便微生物叢移植」は、メタボリックシンドロームやアレルギーなど、さまざまな疾患の治療オプションの候補になり得るものとして研究が進められているという

未来のうんこの世界がどうなっているのか、今から興味が尽きない


(この記事は、Real Soundの記事で作りました)

うんこの世界──細菌とわたしたちの深い関係 単行本(ソフトカバー)

魅惑的で不思議な「うんこの世界」
細菌と私たちは深い関係があり、そのカギはうんこにあるという
うんこの未来と可能性に迫る
posted by june at 12:26| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NY株は腹落、日経平均株価は4日続伸

5日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)は、反落し、終値は前日比248ドル33セント安の4万4756ドル71セント

ハイテク株中心のナスダックは34.86ポイント安の1万9700.26

S&P500は11.38ポイント安の6075.11




5日(日本時間)の日経平均株価は4日続伸し、終値は前日比119円21銭安の3万9395円60銭


(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
posted by june at 06:58| Comment(0) | 株価動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

色んなところでよく聞く「リンパ」。体内を巡るその役割は血液と何が違う?

リンパ内の免疫細胞が体内をパトロール

体の中を流れているのは、血液だけではありません
私たちの体内には血管と同じように「リンパ管」が張り巡らされ、その中を「リンパ液」が流れています

このリンパ液は、もともと血液中の血しょうが浸み出したものです
血液は、体の末端で一部が毛細血管から出て細胞に酸素や栄養を届けています
そのほとんどは再び毛細血管に戻りますが、1割ほどは毛細リンパ管に入り、合流を繰り返しながら最後は太い「胸管」となって、鎖骨下静脈へと流れ込みます
リンパ管が合流する部分は、空豆のような形をした節となり「リンパ節」と呼ばれます

リンパ節は全身に800個ほどありますが、首やその周辺には約300個のリンパ節が集中し、次に鼠部、腋窩部に多く分布しています
なお、リンパ管には弁があり、この弁がリンパ液の逆流を防いでいます

臓のようなポンプ機能のないリンパ液の流れは血液に比べ非常にゆるやかで、1時間に流れる量は約100ミリリットルといわれています

リンパの中に存在する細胞を免疫細胞といい、病原体や異物を撃退する免疫機能と体内の老廃物の回収・排泄などの役割をします

免疫細胞には病原体を食べたりして広がるのを防ぐ、好中球や「マクロファージ」といった「貪食細胞」や白血球の一種であるリンパ球があります

リンパ球には、細菌やウイルスなどに感染した細胞を攻撃するNK細胞、抗体をつくるB細胞、一度侵入してきた病原体を記憶して排除するT細胞のヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞などが存在し、リンパ液と血液中を行き来しています

リンパ節はリンパ液で運ばれてきた病原体や老廃物をろ過して取り除く、〝関所〟のような役目を果たしながら私たちの体を守っているのです

出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志

(この記事は、ラブすぽの記事で作りました)

体内を巡るのは、血液だけではなく、リンパも

リンパ内の免疫細胞が体内をパトロールしているといわれます

リンパの中に存在する細胞を免疫細胞といい、病原体や異物を撃退する免疫機能と体内の老廃物の回収・排泄などの役割をします

免疫細胞には病原体を食べたりして広がるのを防ぐ、好中球や「マクロファージ」といった「貪食細胞」や白血球の一種であるリンパ球があります

リンパ球には、細菌やウイルスなどに感染した細胞を攻撃するNK細胞、抗体をつくるB細胞、一度侵入してきた病原体を記憶して排除するT細胞のヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞などが存在し、リンパ液と血液中を行き来しています

リンパ節はリンパ液で運ばれてきた病原体や老廃物をろ過して取り除く、〝関所〟のような役目を果たしながら私たちの体を守っているのです




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posted by june at 04:21| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする