2024年11月04日

江戸時代の人々が、日常茶飯事の「濡れ衣」「不当逮捕」から逃れるにはどうすれば

江戸時代の裁きの記録で現存しているものは、現在(2020年5月)、たった3点しか確認されていない

その一つが、長崎歴史文化博物館が収蔵する「長崎奉行所関係資料」に含まれている「犯科帳」だ
3点のうちでもっとも長期間の記録であり、江戸時代全体の法制史がわかるだけでなく、犯罪を通して江戸社会の実情が浮かび上がる貴重な史料である

じつは、江戸時代の裁きは「濡れ衣」、「不当逮捕」が日常茶飯事であった
人々がこうした冤罪から身を守るためにはどうすればよかったのか

【本記事は、松尾晋一『江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む』(10月17日発売)より抜粋・編集したものです】

とんだ濡れ衣で

唐人屋敷ができる元禄二(1689)年まで、長崎貿易に従事する唐人は町の中に雑居していた
長崎には崇福寺、興福寺などの「唐寺」が今でも存在する
当時、長崎で死亡した唐人は、このような唐寺の墓地に埋葬されていた
したがって他地域には見られない葬儀が長崎では見られていた

延享三(1746)年正月一三日、病死した唐人の葬儀が崇福寺であった
そこに参列した唐人がその帰り、油屋町の太左衛門宅に投文をした
それを目撃した同行の唐人番がこの行為を怪しんだ
これにより太左衛門とその下人・利助は手鎖の上で所預となった
唐人番は投げ入れられた書付も取りあげたが、吟味をしても特に問題はなかった

しかし二人は、出島、唐人屋敷、新地そのほか荷役などの場所に立ち入らないようにという、決まり文句による叱を受けた
許されたのはひと月以上も後の二月二七日のことであった
身の潔白は明らかとなったが、何もしていなかったのだから、精神的には相当苦しんだにちがいない(森永種夫編『長崎奉行所判決記録 犯科帳』(二)四四~四五頁)

いったん和談したにもかかわらず

寛延元(1748)年一二月二六日の夜、長崎郊外・長崎村の桜馬場で利左衛門と松次郎の二人が口論になった
この件、いったんは同夜に和談で決着した

ところがその後、松次郎が同じ桜馬場の弦場という所で変死した
当然、利左衛門が疑われたが、殺人の証拠は見つからなかった

現代であれば、これでは刑罰を科すことなどはとうていできないに違いない
だが松次郎の変死との関係は明らかでなかったにもかかわらず、利左衛門には「軽キ追放」が命じられた
この理不尽な判決に彼は納得できたのだろうか、本人に聞いてみたいところである

じつはこのあと利左衛門は長崎に立ち帰ってきて見つかり、この「立ち帰り」の科により、壱岐への流罪に処されている
証拠不十分のまま科された刑を前提にして、さらにその上に重い刑を科されたのである
当事者間で解決していたはずが、思いもよらぬ松次郎の変死から追放となり、利左衛門の人生は狂ってしまったように思われる(森永種夫編『長崎奉行所判決記録 犯科帳』(二)九一頁)

長崎奉行所、ひいては公儀の判断がすべてであった時代、今日であれば不当逮捕と訴えることもできるだろうが、そんなことはできない時代なのである
人びとにできることと言えば、事件性の高い場面には遭遇しないことを願うことしかなかったろう
この時代には、こうした一面もあったのである

(この記事は、現代ビジネスの記事で作りました)

江戸時代は「濡れ衣」「不当逮捕」が日常茶飯事だった

理不尽な時代である

なにしろ「切り捨て御免」もまかり通った時代だ

人びとにできることと言えば、事件性の高い場面には遭遇しないことを願うことしかなかった




江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む (講談社現代新書 2757) 新書

江戸時代の犯罪を長崎奉行「犯科帳」から読み解く
そこにはその時代の「お裁きの実体」や「素顔」が見えてくる
posted by june at 12:36| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2億5000万年後、世界は一つの大陸になる!?その名は超大陸「アメイジア」

地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね
例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します
太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!
あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました


超大陸「アメイジア」!? 将来、世界は一つの大陸になる説

世界は、太平洋、大西洋、インド洋という三つの大洋と、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸、北アメリカ大陸、南極大陸という六つの大陸で構成されている

しかし、地球が誕生して以来、世界は常に同じ姿をしていたわけではない
現在の大陸の姿も、2億年以上前に存在した超大陸「パンゲア」が分裂を繰り返すことで形成されたが、そのメカニズムを考えるときにカギとなるのが、「プレート」の移動である

地球は中心から核、マントル、地殻という層構造になっているが、マントルの最上部と地殻は10数枚の岩盤でできている
この厚さ100キロメートルほどの岩盤がプレートで、地球の表面は14~15枚の巨大なプレートによって覆われている
太古より、地球内部のマントルが対流することで、プレートは年に数ミリから数センチメートルほど移動してきたが、大陸の結合や分裂は、その動きに連動することで発生しているというのが現在の定説だ

スーパーコンピューターを使った最新のシミュレーションによると、2億5000万年後の地球では、世界中のほとんどの陸地が集まって超大陸「アメイジア」が形成されると予測されている。

解析によると、「アメリカ」と「アジア」をつなげたアメイジアという造語のとおり、ユーラシア大陸と北米大陸がつながり、アフリカと南米大陸も北半球寄りに移動
その結果、北極を中心に超大陸が形成される可能性が示唆されている
ちなみに、南極大陸はそのまま残るが、日本列島は北上したオーストラリア大陸と、隣にあるユーラシア大陸にはさまれることで、超大陸の一部に取り込まれてしまうという

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

(この記事は、レタスクラブの記事で作りました)

だいぶ先の話ですが、2億5000万年後には、北極を中心に南極を除くほとんどの大陸がくっつき超大陸「アメイジア」となるという

南極大陸はそのまま残るが、日本列島は北上したオーストラリア大陸と、隣にあるユーラシア大陸にはさまれることで、超大陸の一部に取り込まれてしまうという

ちなみに8000万年後にはハワイと日本がくっつく計算に・・・
(両者は年間8センチほど近づいている)
ただし、プレートに乗ってやって来たハワイもいずれは日本海溝に沈むという
(超大陸やハワイと日本の接近もプレートの移動による)

元々は2億年以上前に超大陸「パンゲア」が分裂することにより、現在の形になったが、2億5000万年後には超大陸「アメイジア」になるという




人類なら知っておきたい 地球の雑学 (中経の文庫) 文庫

地球(を含めた宇宙)には謎や不思議、ギモンが多くあります
空はなぜ青く、夕焼けは赤いのだろうか!?とか・・・
そんな「理系雑学」を楽しくわかりやすく解説
posted by june at 04:18| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする