日本の20歳以上の慢性腎臓病(CKD)の患者数は、約1480万人と推定されるそう
腎臓は「沈黙の臓器」と言われ、気づかないうちに悪化してしまうおそれがありますが、東北大学名誉教授の上月正博先生は「かつて<不治の病>とされてきた慢性腎臓病は、運動と食事で<治せる病>になりつつある」と語っています
そこで今回は、上月先生の著書『腎臓の名医が教える 腎機能 自力で強まる体操と食事』から一部引用、再編集してお届けします
* * * * * * *
◆根強く残る「不治の病」というイメージ
本記事を開いたあなたは、こんな悩みをお持ちではありませんか
「腎機能が基準値以下になった」
「検診で尿たんぱくが出た」
「医師から、『このままでは人工透析になりますよ』と言われた」
「現在、人工透析を行っている。今の状態をできるだけキープしていきたいが、どうなることか・・・」
「慢性腎臓病を患っている家族がおり、そのサポートをしたい」
私たちの体の中で、重要な働きを司る臓器・腎臓
加齢や慢性腎臓病(CKD)などにより、その働きが次第に弱ってきて、健康診断や病院での検査で悪い数値が出るようになると、今、リストアップしたようなさまざまな懸念が生じます
腎臓がどれくらい機能しているかを示す目安である「eGFR」(estimated Glomerular Filtration Rate:推算糸球体ろ過量)の値が、毎年、悪化していることに気づけば、「腎臓がこのまま悪くなっていったら、どうなるのだろう?」と、やはり心配になるものです
ことに高血圧や糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病が持病の場合には、病気の悪化とともに腎機能も落ちていく恐れがあります血圧や血糖値などの数値変化だけでなく、腎臓の状態も心配になります
ましてや、慢性腎臓病の診断を受けている人ならばなおさら、ご自身の今後について心配や不安は募ることでしょう
慢性腎臓病は長らく「不治の病」と恐れられ、一度なったら治らない病気というイメージが根強く残っています
◆慢性腎臓病は「治せる病」になりつつある
このまま改善せず、人工透析や腎移植を勧められるようになったら、自分の命は助からないのではないのか
本記事は、腎臓に対するこうした不安や心配を持つ人に向けて、落ちてきた腎機能を可能な限り回復させ、慢性腎臓病の予防や改善の手助けとなる手段を提案します
医学の研究や治療の進展によって、現在、慢性腎臓病の治療には大きな変化が起きています
かつては、不治の病とされてきた慢性腎臓病は、「治せる病」になりつつあるのです
慢性腎臓病は、早期に発見して適切な治療やセルフケアを行うことで、改善したり、進行を遅らせたりすることができる病気となりました
そこで、重要なカギを握るのが「運動」と「食事」です
特に運動は、少し前までの常識では、いったん腎臓病になったら、安静が第一であり、体を動かすことなどはもってのほかでした
しかし、今では慢性腎臓病の患者さんが軽い運動を継続することで、元気にいきいきとした生活ができるばかりか、血清クレアチニン値が低下したり、尿たんぱくが減少・消失したり、腎機能が向上することがあることもわかっています
また、人工透析を回避・先延ばししたり、心臓病や脳卒中などの合併症を予防したり、死亡率が下がって余命が延びたりすることが判明しました
慢性腎臓病の患者さんであっても、軽い運動を継続することで、体力や気力を保ち、毎日を活発に過ごせるようになるのです
今ではむしろ、安静は禁物なのです
◆腎臓リハビリの例
私は、長年、東北大学病院に籍を置き、慢性腎臓病に対する運動がもたらす改善効果について研究を続けてきました
そこで開発したのが、「腎臓リハビリテーション」(以下、「腎臓リハビリ」)です
腎臓リハビリを用いた私たちスタッフの研究成果は、今や世界的に認められるようになりました
日本では、このリハビリに健康保険の適用が認められるほどです
私たちの研究などで、治療方針が、「安静第一から運動推奨へ」と、大きく転換されたのです
腎臓病の治療において、「コペルニクス的転回」ともいわれるほどの革命が起きたと評価してくださる医師や研究者、医療スタッフも、世界中にたくさんいます
そうした声も嬉しいのですが、私が何より喜んでいるのは、不安や心配で押しつぶされそうになっていた多くの患者さんが、腎臓リハビリによって生き生きとした毎日を手に入れられたことです
ここで、そうした例を簡潔にご紹介してみましょう
Iさん(75歳・女性)は、今から35年前の40歳のとき、慢性腎臓病のステージG3aとの診断を受けました
Iさんは食事にも配慮しながら、運動療法の一環として自分の好きな山歩きを続けました
現在のeGFRの値は57(基準値は60以上)
ステージこそ変わっていませんが、35年間、さらなる腎機能の低下は起こっていません
これ自体、すばらしいことです
しかも、以前は見られた血尿は出なくなり、尿たんぱくも出てもごくわずかです
長年にわたり、根気よく歩き続けてきたことが、Iさんの腎機能の維持に大きく貢献していることは間違いないでしょう
◆歩き始めて3ヵ月で・・・
Tさん(70歳・男性)は、高血圧と脂質異常症の持病があり、59歳のときに脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)の発作を起こしました
このときの検査で、腎機能値がかなり低下していることが判明。eGFRの値は50 であり、健常者の半分しか腎機能が働いていませんでした。
医師からは、「このまま腎機能が低下していけば、将来的には人工透析の導入も考えなくてはいけない」と警告されました
Tさんは熱心にウォーキングに取り組むようになり、1日に2万5000歩をゆっくり歩くようになりました
歩き始めて3ヵ月で、慢性腎臓病のステージがG3aからG2へと回復し、eGFR値も基準値の60まで戻しました
体重は、ピーク時の80kgから12kg減り68kgになったのです
それまでは降圧剤を飲んでも、最大血圧が140~160mmHg、最小血圧が90mmHgまでしか下がりませんでしたが、最大血圧120mmHg台、最小血圧60mmHg6まで下がりました(正常値は最大血圧が140mmHg未満、最小血圧90mmHg未満)
◆運動療法は有効な手段
Kさん(65歳・男性)は、長年患ってきた糖尿病の悪化により、腎機能も低下し、糖尿病腎症を発症しました
医師から人工透析を勧められ、始めました
それと並行して、Kさんは運動療法を開始しました
人工透析が始まる前にエアロバイクなどで体を動かし、ほかに毎日30分のウォーキングや筋トレも実践したのです
その結果、7%台だったヘモグロビンA1c(過去1~2ヵ月の血糖値がわかる数値で、正常値は6.2%未満)が、5.5%と正常値内に落ち着きました
血圧は、最大血圧が160mmHg1台、最小血圧が90mmHg台だったものが、最大血圧が120~130mmHg、最小血圧が70mmHg台まで下がり、安定するようになったのです
人工透析を始めると、足腰が弱って、車イスが必要になる人も少なくありません
しかし、運動療法をしっかり続けているKさんは、足腰の衰えも感じず、腎機能もよい状態で推移しています
このように運動は、落ちてしまった腎機能を回復させたり、今の状態をキープしたりするための有力な手段となります
人工透析を受けることになったとしても、健康状態を維持するのにも役立つことがわかってきています
※本稿は、『腎臓の名医が教える 腎機能 自力で強まる体操と食事』(徳間書店)の一部を再編集したものです
(この記事は、婦人公論.jpの記事で作りました)
私も突然、脳梗塞になり、入院した時、検査で高血糖、高尿酸、高血圧に加え、腎機能も弱っていると診断されました
「いずれ人工透析もあるかも」とも・・・
状態が悪いときは、高血糖、高尿酸、高血圧の薬を飲み、インスリンを打ち、ゆで野菜を食べていました(生野菜は腎臓に悪い)
独自のエクササイズ、運動療法などで、高血糖とゆで野菜を食べることをやめることができ、高血糖、インスリンもやめることができました
A1c、血糖値、腎機能は回復、現在は高尿酸と高血圧の薬を飲むだけです(3カ月に1度の定期検査と上記の薬あり)
(A1c、血糖値は食事制限なしで正常)
その後、股関節骨折であまり運動はしてませんが、軽い運動は考えています
腎臓の名医が教える 腎機能 自力で強まる体操と食事 単行本(ソフトカバー)
かつては「不治の病」とされていた慢性腎臓病
「常識」は変わっている!近年<治せる病>に
腎機能が自力で強まる食事と体操を紹介
2024年10月27日
マッコウクジラの祖先が、じつは「海の生物を震え上がらせる肉食クジラ」だった
新生代は、今から約6600万年前に始まって、現在まで続く、顕生代の区分です
古生代や中生代と比べると、圧倒的に短い期間ですが、地層に残るさまざまな「情報」は、新しい時代ほど詳しく、多く、残っています
つまり、「密度の濃い情報」という視点でいえば、新生代はとても「豊富な時代」です
マンモスやサーベルタイガーなど、多くの哺乳類が登場した時代ですが、もちろん、この時代に登場した動物群のすべてが、子孫を残せたわけではありません
ある期間だけ栄え、そしてグループ丸ごと姿を消したものもいます
そこで、好評のシリーズ『生命の大進化40億年史』の「新生代編」より、この時代の特徴的な生物種をご紹介していきましょう
「頂点捕食者《トッププレデター》級」の大型種を輩出した「ハクジラ類」の代表種をご紹介します
*本記事は、ブルーバックス『カラー図説 生命の大進化40億年史 新生代編 哺乳類の時代ーー多様化、氷河の時代、そして人類の誕生』より、内容を再構成・再編集してお届けします
上顎にも歯のあるマッコウクジラ
クジラ類の歴史は、始新世に始まり、漸新世にヒゲクジラ類の登場という一大ハイライトを迎えた
一方、クジラ類のもう一つのグループである「ハクジラ類」に関しても、その最古の種は漸新世に登場し、そして、中新世には「頂点捕食者《トッププレデター》級」ともいえる大型種が出現するに至っている
現生の大型ハクジラ類といえば、マッコウクジラだろう
全長は20メートル近くになり、大きな頭部をトレードマークとし、サカナやイカなどを食べる
その口を見ると、下顎には歯があるけれども、上顎には歯がないという特徴がある
現生のマッコウクジラほどではないにしろ、マッコウクジラに迫る大型のハクジラ類の化石が、ペルーに分布する中新世の地層から発見されている
そのハクジラ類の頭骨は、長さが3メートル、幅は1.9メートルに及ぶ
推測される全長は、117.5メートルに達する
マッコウクジラに近縁とされ、同じ「マッコウクジラ類」というグループに分類されたこのハクジラ類には、「リヴィアタン」という名前が与えられた
神話の世界で「地獄の海軍提督」ともいわれる海の怪物、「リヴァイアサン」にちなむ名前だ
巨大な上顎歯が物語る「獰猛性」
リヴィアタンは、ある意味で、マッコウクジラよりも“恐ろしい存在”だったかもしれない
リヴィアタンの口を見ると、マッコウクジラにはない「上顎の歯」が並んでいる
しかも、その歯は最大で30センチメートルを超える大きなものだった
厚みもある
丈夫なつくりの顎とあわせて鑑みれば、リヴィアタンが獰猛な肉食性だったことを窺い知ることができる
ヒゲクジラ類のような大型の海棲哺乳類も獲物だった可能性が指摘されている
ちなみに、なぜ、「リヴァイアサン」という”直接的な名前”ではなく、「リヴィアタ ン」という名前になっているかといえば・・・じつは、こんないきさつがある。
名付けのいきさつ
実は、ベルギー王立自然科学研究所のオリヴィエ・ランベールたちがこのマッコウクジラ類を2010年に報告したとき、「リヴァイアサン(Leviathan)」と名付けていた
しかし、「Leviathan」はすでに別の大型哺乳類に使われていることが判明し、ランベールたちはすぐに「Livyatan」に変更する旨を発表した
ちなみに、意味するところは同じ海の怪物にちなむものの、「Leviathan」はラテン語をもとにしており、「Livyatan」はヘブライ語をもとにしている
さて、「上顎の歯のあるマッコウクジラ類」は、南太平洋の東部海域だけにいたわけではない
リヴィアタンにわずかに先行する形で、実は北西部海域にも生息していた
その化石は、日本で発見されている
俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウ
北西部海域にも生息していたマッコウクジラ類の名前は「ブリグモフィセター」
「カミツキマッコウ」の通称で知られる
カミツキマッコウの全長は5メートルほど
リヴィアタンや、現生のマッコウクジラと比べるとかなり小型だ
・・・ もっとも、「5メートル」というサイズは実はなかなかの巨体ではある
シャチには及ばないものの、マイルカの約2倍の長さに相当するのだ
ブルーバックス(講談社)の『カラー図説 生命の大進化40億年史』シリーズの監修者である群馬県立自然史博物館では、2013年にその実物大生態復元模型を製作している
このとき、カミツキマッコウの頭部が詳しく調べられ、カミツキマッコウには、マッコウクジラほど頭部が迫(せ)り出していなかったことが指摘された
なお、この実物大生態復元模型は、現在でも同館で見ることが可能だ
また、カミツキマッコウは、マッコウクジラよりも俊敏だった可能性があるという
大型で、ヒゲクジラ類をも獲物とするリヴィアタン、俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウ
中新世の太平洋は、その東西でマッコウクジラ類による狩りが行われていたようだ
(この記事は、現代ビジネスの記事で作りました)
マッコウクジラは、歯のあるハクジラ
ヒゲクジラ類のようにプランクトンやオキアミではなく、魚やイカを食べる
イカでも巨大なダイオウイカも食べる、ある意味「現代のクジラ類の頂点捕食者」
マッコウクジラの祖先とされる大型で、ヒゲクジラ類をも獲物とする可能性のリヴィアタン、俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウは注目
とくにヒゲクジラ類だけでなく、巨大サメさえ、獲物にしていた可能性のクジラ類のリヴィアタンは「クジラ類の超点捕食者」で要注目
獰猛な性格でマッコウクジラと違い上顎にも歯のあり、現在「海のギャング」といわれるシャチのように恐れられていた可能性も・・・
シャチとリヴィアタンはサイズからいえば、1対1ではリヴィアタンの方が強そうだが、シャチは群れの動物
両者とも知能が高いと思われ、両者とも対決はしないだろう
カラー図説 生命の大進化40億年史 新生代編 哺乳類の時代--多様化、氷河の時代、そして人類の誕生 (ブルーバックス B 2242) 新書
40億年の生命の進化史の第3弾・新世代編
哺乳類の時代へ、多様化と人類も誕生
古生代や中生代と比べると、圧倒的に短い期間ですが、地層に残るさまざまな「情報」は、新しい時代ほど詳しく、多く、残っています
つまり、「密度の濃い情報」という視点でいえば、新生代はとても「豊富な時代」です
マンモスやサーベルタイガーなど、多くの哺乳類が登場した時代ですが、もちろん、この時代に登場した動物群のすべてが、子孫を残せたわけではありません
ある期間だけ栄え、そしてグループ丸ごと姿を消したものもいます
そこで、好評のシリーズ『生命の大進化40億年史』の「新生代編」より、この時代の特徴的な生物種をご紹介していきましょう
「頂点捕食者《トッププレデター》級」の大型種を輩出した「ハクジラ類」の代表種をご紹介します
*本記事は、ブルーバックス『カラー図説 生命の大進化40億年史 新生代編 哺乳類の時代ーー多様化、氷河の時代、そして人類の誕生』より、内容を再構成・再編集してお届けします
上顎にも歯のあるマッコウクジラ
クジラ類の歴史は、始新世に始まり、漸新世にヒゲクジラ類の登場という一大ハイライトを迎えた
一方、クジラ類のもう一つのグループである「ハクジラ類」に関しても、その最古の種は漸新世に登場し、そして、中新世には「頂点捕食者《トッププレデター》級」ともいえる大型種が出現するに至っている
現生の大型ハクジラ類といえば、マッコウクジラだろう
全長は20メートル近くになり、大きな頭部をトレードマークとし、サカナやイカなどを食べる
その口を見ると、下顎には歯があるけれども、上顎には歯がないという特徴がある
現生のマッコウクジラほどではないにしろ、マッコウクジラに迫る大型のハクジラ類の化石が、ペルーに分布する中新世の地層から発見されている
そのハクジラ類の頭骨は、長さが3メートル、幅は1.9メートルに及ぶ
推測される全長は、117.5メートルに達する
マッコウクジラに近縁とされ、同じ「マッコウクジラ類」というグループに分類されたこのハクジラ類には、「リヴィアタン」という名前が与えられた
神話の世界で「地獄の海軍提督」ともいわれる海の怪物、「リヴァイアサン」にちなむ名前だ
巨大な上顎歯が物語る「獰猛性」
リヴィアタンは、ある意味で、マッコウクジラよりも“恐ろしい存在”だったかもしれない
リヴィアタンの口を見ると、マッコウクジラにはない「上顎の歯」が並んでいる
しかも、その歯は最大で30センチメートルを超える大きなものだった
厚みもある
丈夫なつくりの顎とあわせて鑑みれば、リヴィアタンが獰猛な肉食性だったことを窺い知ることができる
ヒゲクジラ類のような大型の海棲哺乳類も獲物だった可能性が指摘されている
ちなみに、なぜ、「リヴァイアサン」という”直接的な名前”ではなく、「リヴィアタ ン」という名前になっているかといえば・・・じつは、こんないきさつがある。
名付けのいきさつ
実は、ベルギー王立自然科学研究所のオリヴィエ・ランベールたちがこのマッコウクジラ類を2010年に報告したとき、「リヴァイアサン(Leviathan)」と名付けていた
しかし、「Leviathan」はすでに別の大型哺乳類に使われていることが判明し、ランベールたちはすぐに「Livyatan」に変更する旨を発表した
ちなみに、意味するところは同じ海の怪物にちなむものの、「Leviathan」はラテン語をもとにしており、「Livyatan」はヘブライ語をもとにしている
さて、「上顎の歯のあるマッコウクジラ類」は、南太平洋の東部海域だけにいたわけではない
リヴィアタンにわずかに先行する形で、実は北西部海域にも生息していた
その化石は、日本で発見されている
俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウ
北西部海域にも生息していたマッコウクジラ類の名前は「ブリグモフィセター」
「カミツキマッコウ」の通称で知られる
カミツキマッコウの全長は5メートルほど
リヴィアタンや、現生のマッコウクジラと比べるとかなり小型だ
・・・ もっとも、「5メートル」というサイズは実はなかなかの巨体ではある
シャチには及ばないものの、マイルカの約2倍の長さに相当するのだ
ブルーバックス(講談社)の『カラー図説 生命の大進化40億年史』シリーズの監修者である群馬県立自然史博物館では、2013年にその実物大生態復元模型を製作している
このとき、カミツキマッコウの頭部が詳しく調べられ、カミツキマッコウには、マッコウクジラほど頭部が迫(せ)り出していなかったことが指摘された
なお、この実物大生態復元模型は、現在でも同館で見ることが可能だ
また、カミツキマッコウは、マッコウクジラよりも俊敏だった可能性があるという
大型で、ヒゲクジラ類をも獲物とするリヴィアタン、俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウ
中新世の太平洋は、その東西でマッコウクジラ類による狩りが行われていたようだ
(この記事は、現代ビジネスの記事で作りました)
マッコウクジラは、歯のあるハクジラ
ヒゲクジラ類のようにプランクトンやオキアミではなく、魚やイカを食べる
イカでも巨大なダイオウイカも食べる、ある意味「現代のクジラ類の頂点捕食者」
マッコウクジラの祖先とされる大型で、ヒゲクジラ類をも獲物とする可能性のリヴィアタン、俊敏で獲物を追い詰めるカミツキマッコウは注目
とくにヒゲクジラ類だけでなく、巨大サメさえ、獲物にしていた可能性のクジラ類のリヴィアタンは「クジラ類の超点捕食者」で要注目
獰猛な性格でマッコウクジラと違い上顎にも歯のあり、現在「海のギャング」といわれるシャチのように恐れられていた可能性も・・・
シャチとリヴィアタンはサイズからいえば、1対1ではリヴィアタンの方が強そうだが、シャチは群れの動物
両者とも知能が高いと思われ、両者とも対決はしないだろう
カラー図説 生命の大進化40億年史 新生代編 哺乳類の時代--多様化、氷河の時代、そして人類の誕生 (ブルーバックス B 2242) 新書
40億年の生命の進化史の第3弾・新世代編
哺乳類の時代へ、多様化と人類も誕生