●原始生命体はどこで誕生したの?
一番最初の生命はどのようにして生まれたのでしょうか?
これは今でも完全には解明されていない生物学最大の謎とされています
まずは原始生命体が、どこでどのように誕生したのかを示す2つの有力な説を紹介します
生命のもととなる物質が地球で進化し、地球で生命が誕生したとする「化学進化説」と、生命は宇宙からやってきたとする「パンスペルミア説」です
○化学進化説
化学進化説とは、単純な無機物から始まり、有機化合物が生まれ、それが生命へと発展するという、物質自体が地球内で進化することで生命誕生につながったとする説です
生まれたての地球は無生物の世界でした
岩の塊がぶつかりあってできた原始地球は、衝突の摩擦で発生した熱で、表面全体がマグマで覆われていました
このような世界からでは生命は生まれないはずです
その後表面の灼熱のマグマが次第に冷えて固まり、地殻などもできてきます
それとともに原始地球の大気に含まれていた大量の水蒸気が雨になって降り注ぎます
雨は地表を冷やし、その上に溜まっていきました
この雨は少なくとも千年以上続いた豪雨だったそうです
こうしてできたものが、「海」となります
この海の、特に「熱水噴出孔」という場所が、無機物から有機化合物が生成される化学進化の場として最有力となります
熱水噴出孔は現在の地球にもありますが、数百度に熱せられた熱水が噴出してくる亀裂で、海底、特に深海に存在します
こうした熱水噴出孔では熱水だけでなく硫化水素や重金属なども噴き出しています
重金属はニッケル、コバルト、クロムなどの密度の高い金属ですが、これらの重金属にはさまざまな触媒作用があります
また、深海であれば水圧で高い圧力がかかります
これらの高温、高圧、触媒は、化学反応を促進させる要素です
つまり、「これらの要素が複雑に絡み合い、熱水噴出孔で有機化合物が生成されたのではないか?」ということです
その後有機化合物から生命に進化するまでの過程については、無機物から有機化合物が生成されるまでの過程以上にわかっていない部分が非常に多い現状です
その中でも有力なのは、有機化合物同士がくっついてコロイドを形成し、それらがさらに集まり「コアセルベート」と呼ばれる構造を形成したとする説です
コアセルベートは膜のような構造で外界と内部で分断されており、これは全ての生命を構成する細胞の膜と似ています
そしてその内部で化学反応を起こすことで代謝ができます
さらにコアセルベートは分裂を起こすことも知られています
生命の定義にも色々な問題や議論がありますが、多くの場合・細胞を持ち、・代謝を行い、・自己複製ができるという3つの条件が必要とされます
コアセルベートはこれらを満たしていた可能性があります
現在では最初の細胞に至るまでにさらに多くの複雑な過程を経たと考えられていますが、このようにして無機物から始まり、物質の進化を経て最終的に細胞から成る原始生命体が誕生したとするのが、「化学進化説」となります
○パンスペルミア説
化学進化説に対してパンスペルミア説は、「地球の生命の起源は地球ではなく、地球外で発生した微生物の芽胞が地球に飛んできたものだ」とする説です
これはまるでSFのようで、非科学的な主張に聞こえるかもしれません
ですがパンスペルミア説は現在でも可能性が信じられているように、それを否定できない根拠があります
例えば、ほとんどのアミノ酸は左右の手のように、お互いに鏡に映すと同一になる構造のものがあります
その一方がL型(左型)、もう一方がD型(右型)と呼ばれています
これらの型を回転させても、もう一方の型と重ねることはできません
つまりL型とD型は似ているようで全く異なる形状なのです
不思議なことに、地球上の生物のアミノ酸は、ほぼ全てがL型であることが知られています
生物で使われているのはその一方だけです
通常、これらは自然では同じ割合で生成されます
そのため地球上でL型のみを利用した生命の誕生を説明するためには、特殊な条件が必要となります
一方で宇宙には円偏光と呼ばれる特殊な光が存在し、これを浴びるとアミノ酸の分布に偏りが生じ、結果的にL型アミノ酸の割合が高くなることを説明できるそうです
このように地球上の生命が利用するアミノ酸のほぼ全てがL型であるという事実は、円偏光が存在する宇宙に生命の起源が存在する可能性を示すものであるといえます
また、今から38億年前、つまり46億年前に地球が誕生してからわずか8億年ほどで、既に生命が存在していた証拠が発見されています
これだけの短期間で生命が発生したというのは、化学進化説では説明しにくい部分です
もっとも、パンスペルミア説では、地球に降ってきた微生物がどこでどうやって誕生したのかまでは明確にできていません
その起源を特定して、そこでの生命誕生のプロセスを解明するのは非常に困難です。
ただし実際に隕石の中からアミノ酸が検出されたり、宇宙の環境に近い極限環境で生存できる微生物が実際に確認されたりなどといった事実も相まって、
地球に生命がもたらされた過程として、このパンスペルミア説は現実的に考えられる説の一つとして挙げられています
https://www.nao.ac.jp/releaselist/archive/20100406/background.html
https://www.gentosha.jp/article/8159/
https://en.wikipedia.org/wiki/Abiogenesis
(この記事は、宇宙ヤバイChキャベチの記事で作りました)
生命誕生は、「化学進化説」にしても「パンスペルミア説」にしても驚異的奇跡で起きています
しかし、現実に生命が誕生している以上、上記2説のいずれかが正しければ、奇跡を受け入れるしかありません
また2説以外でも奇跡の可能性があります
生命誕生は、宇宙最大の謎の一つです
生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る 単行本(ソフトカバー)
宇宙最大の謎の一つとされる「生命の起源」に迫る
はっきりいって謎だらけだが、その中で解明へ挑む
2024年08月12日
日本や世界で『猫の神様』が崇拝される理由
世の中には、猫をモチーフとした日用品や雑貨が溢れています
猫グッズは、古代エジプトの時代から、ミイラ、像、護符などとして存在していました
これらは、猫が世界の各地で神様等として崇められていたことの証とも言えるでしょう
今回は、日本や世界で神様や神様の使いとして崇められている猫について、なぜそのような存在になったのかを探ってみたいと思います
世界で崇められている猫
猫の神様と言えばすぐに思い浮かぶのが、古代エジプトのバステト神です
古代エジプトでは、オス猫は蛇の姿をした魔神と戦う太陽神ラー、メス猫は豊作、母性、庇護を象徴するバステト神、そして猫とライオンは戦いの神シェカメットの象徴とされていました
イングランド
積荷に害を及ぼしたり感染症を媒介するネズミ退治のために、猫はよく船に乗せられていました
猫には天候を変える力があると信じられ、特にイギリスでは黒猫を乗船させると縁起が良いと、漁師の守り神になりました
夫の無事を祈って、漁師の妻が黒猫を飼う地域もあったようです
北欧神話
北欧神話では、女神フレイヤの車を牽引していた2匹の猫がノルウェージャンフォレストキャットだと言われています
この猫たちには結婚についての予知能力があり、結婚式に猫が姿を現すと吉兆だと言い伝えられています
イスラム教
直接崇拝の対象ではありませんが、猫は清潔であり、偉大なる預言者から愛されていたことなどから、イスラム教でも猫は大切に扱われるようになりました
日本でも崇められている猫
日本の各地にも、猫を祀っている神社がたくさんあります
有名なところをご紹介します
東京都新宿:自性院
室町時代に道に迷った人を案内した黒猫がきっかけとなり、猫地蔵や猫のお面の地蔵が奉納されました
鹿児島県鹿児島市:仙厳園猫神神社
第17代当主島津義弘が朝鮮出兵で連れて行った7匹の猫の内、生き残った2匹を連れ帰って祀った神社です
京都府左京区:檀王法林寺
主夜神尊という夜を守る神様が祀られています
黒猫が主夜神の使いであるとして、黒い招き猫が作られた日本最古の神社であると言われています
東京都台東区:今戸神社
貧しさ故に手放した愛猫がお婆さんの夢に出てきて、自分の姿の人形を売ると幸せになれると告げ、その通りにしたのが招き猫の発祥であると言われています
蚕を守る猫
他にも、宮城県田代島の猫神社や京都府の木島神社のように、養蚕が盛んだった地方には蚕を守るとして猫を祀った神社が多いと言われています
猫が崇められる3つの理由
猫の家畜化が始まったとされる古代エジプトを筆頭に、猫は世界中に広まり、神様や神様の使いとして崇められてきました。それぞれの伝承や記録などから猫が崇められるようになった理由を整理すると、次の3つになります。
1.猫の優秀なハンティング能力から受ける恩恵
古代では、猫は毒蛇を退治する存在でした
そして農耕や産業が発達すると、ネズミを退治する存在になりました
猫は、穀物や蚕に多大なる被害を与えるネズミを退治してくれる大切な存在だったのです
特に、外来動物として拡散中の猫は希少な存在だったため、お札や護符にして崇められることが多かったと考えられます
2.猫の持つ高い繁殖力への憧れ
古代エジプトの女神バステトは、母性、庇護の象徴でもありました
猫の持つ高い繁殖力が、古代エジプトの不妊に悩む女性たちにとって多産を司る神様として崇拝の対象となったのです
3.猫の神秘的な身体構造
光の量に合わせて変化する瞳孔や闇夜に光る瞳、暗闇でも何不自由なく活動できる視力、気配を消して忍び寄るなど、その身体構造による神秘性が人々にとって畏敬の念に変わったと考えられます
まとめ
猫は長い歴史の中で、神様として崇められ大切にされてきただけではありません
魔女や悪魔の使いとして迫害されたり、猫又や化け猫といった妖怪として恐れられてきたこともあります
これらは、おそらく猫の持つ同じ特性から発していると考えられます
人も猫も、それぞれにお互いを選び、現在のような関係を築いてきました。これからも、私たち人と猫は、お互いに良い関係を構築し続けられる関係でありたいと思います
(この記事は、ねこちゃんホンポの記事で作りました)
ネコは古代エジプトで人に飼われ、最初は穀物や蚕などに害をなすネズミ退治が飼われた理由では
しかし、さまざまな能力から神として崇拝されたり、愛玩動物となったり・・・
時には、魔女や悪魔の使いなどで迫害されたり、猫又などの妖怪として恐れられたり
ネコ全史 君たちはなぜそんなに愛されるのか (ナショナル ジオグラフィック別冊) ムック
ネコはネズミを捕り人間の役に立つ面もありますが、他の家畜と違い、かわいいしぐさと気ままな性格で人間に愛された特殊な動物です
人間のパートナーとなったイヌとも違う立ち位置です
更にはいくつかの特殊能力もあり興味深い動物です
猫グッズは、古代エジプトの時代から、ミイラ、像、護符などとして存在していました
これらは、猫が世界の各地で神様等として崇められていたことの証とも言えるでしょう
今回は、日本や世界で神様や神様の使いとして崇められている猫について、なぜそのような存在になったのかを探ってみたいと思います
世界で崇められている猫
猫の神様と言えばすぐに思い浮かぶのが、古代エジプトのバステト神です
古代エジプトでは、オス猫は蛇の姿をした魔神と戦う太陽神ラー、メス猫は豊作、母性、庇護を象徴するバステト神、そして猫とライオンは戦いの神シェカメットの象徴とされていました
イングランド
積荷に害を及ぼしたり感染症を媒介するネズミ退治のために、猫はよく船に乗せられていました
猫には天候を変える力があると信じられ、特にイギリスでは黒猫を乗船させると縁起が良いと、漁師の守り神になりました
夫の無事を祈って、漁師の妻が黒猫を飼う地域もあったようです
北欧神話
北欧神話では、女神フレイヤの車を牽引していた2匹の猫がノルウェージャンフォレストキャットだと言われています
この猫たちには結婚についての予知能力があり、結婚式に猫が姿を現すと吉兆だと言い伝えられています
イスラム教
直接崇拝の対象ではありませんが、猫は清潔であり、偉大なる預言者から愛されていたことなどから、イスラム教でも猫は大切に扱われるようになりました
日本でも崇められている猫
日本の各地にも、猫を祀っている神社がたくさんあります
有名なところをご紹介します
東京都新宿:自性院
室町時代に道に迷った人を案内した黒猫がきっかけとなり、猫地蔵や猫のお面の地蔵が奉納されました
鹿児島県鹿児島市:仙厳園猫神神社
第17代当主島津義弘が朝鮮出兵で連れて行った7匹の猫の内、生き残った2匹を連れ帰って祀った神社です
京都府左京区:檀王法林寺
主夜神尊という夜を守る神様が祀られています
黒猫が主夜神の使いであるとして、黒い招き猫が作られた日本最古の神社であると言われています
東京都台東区:今戸神社
貧しさ故に手放した愛猫がお婆さんの夢に出てきて、自分の姿の人形を売ると幸せになれると告げ、その通りにしたのが招き猫の発祥であると言われています
蚕を守る猫
他にも、宮城県田代島の猫神社や京都府の木島神社のように、養蚕が盛んだった地方には蚕を守るとして猫を祀った神社が多いと言われています
猫が崇められる3つの理由
猫の家畜化が始まったとされる古代エジプトを筆頭に、猫は世界中に広まり、神様や神様の使いとして崇められてきました。それぞれの伝承や記録などから猫が崇められるようになった理由を整理すると、次の3つになります。
1.猫の優秀なハンティング能力から受ける恩恵
古代では、猫は毒蛇を退治する存在でした
そして農耕や産業が発達すると、ネズミを退治する存在になりました
猫は、穀物や蚕に多大なる被害を与えるネズミを退治してくれる大切な存在だったのです
特に、外来動物として拡散中の猫は希少な存在だったため、お札や護符にして崇められることが多かったと考えられます
2.猫の持つ高い繁殖力への憧れ
古代エジプトの女神バステトは、母性、庇護の象徴でもありました
猫の持つ高い繁殖力が、古代エジプトの不妊に悩む女性たちにとって多産を司る神様として崇拝の対象となったのです
3.猫の神秘的な身体構造
光の量に合わせて変化する瞳孔や闇夜に光る瞳、暗闇でも何不自由なく活動できる視力、気配を消して忍び寄るなど、その身体構造による神秘性が人々にとって畏敬の念に変わったと考えられます
まとめ
猫は長い歴史の中で、神様として崇められ大切にされてきただけではありません
魔女や悪魔の使いとして迫害されたり、猫又や化け猫といった妖怪として恐れられてきたこともあります
これらは、おそらく猫の持つ同じ特性から発していると考えられます
人も猫も、それぞれにお互いを選び、現在のような関係を築いてきました。これからも、私たち人と猫は、お互いに良い関係を構築し続けられる関係でありたいと思います
(この記事は、ねこちゃんホンポの記事で作りました)
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しかし、さまざまな能力から神として崇拝されたり、愛玩動物となったり・・・
時には、魔女や悪魔の使いなどで迫害されたり、猫又などの妖怪として恐れられたり
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更にはいくつかの特殊能力もあり興味深い動物です