30日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)は、反発し、終値は前日比203ドル40セント高の4万0743ドル33セント
ハイテク株中心のナスダックは222.78ポイント安の1万7147.42
S&P500は27.10ポイント安の5436.44
30日(日本時間)の日経平均株価は続伸し、終値は前日比57円32銭高の3万8525円95銭
(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
2024年07月31日
「左利きは天才が多い」ってホント?
日本では長らく左手で箸を持つのは不作法と見なされてきたが、一方で左利きには才人や偉人が多いといった共通認識もある
「眠る右脳の潜在能力を引き出すため、左手を積極的に使う」という100年を超す議論の道のりを辿る
本稿は、大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』(PHP新書)の一部を抜粋・編集したものです
● 本当に左利きの脳と身体は優秀なのか? 100年以上前の「両手利き」運動の真相
眠っている右脳の潜在能力を引き出すために左手を積極的に使おう──そんなメソッドが推奨されることもある能力開発において、とかくポジティブに受け取られることが多い左利き
話題ばかりが先行して「右脳神話」ともいうべき様相を呈していますが、すべての左利きに天賦の才が与えられている訳ではありません
おまけに紋切り型の「右脳神話」が横行しすぎると、かえって「右利き優位の社会」の問題点が雲隠れする危惧すら感じます
本当に左利きの脳と身体は優れているのか?手放しに左利きを賞賛するのではなく、多面体ともいえる左利きの特徴についてひもといてみます
脳科学の黎明期ともいえる19世紀末から20世紀初頭にかけ、国内外で両手利きの人間を養成する提案および運動が起こりました
代表的な例として、日本では1890(明治23)年に加藤弘之が提唱した「左手教練説」、そしてイギリスでは1903年に『両手利き』(未邦訳)の著者であるジョン・ジャクソンが設立した「両手利き文化および直立文字の協会」があります
賛同者に恵まれず日の目を見ることもなかった加藤の「左手教練説」とは対照的に、ジャクソンの「両手利き文化および直立文字の協会」は、著名な支持者や50人の委員が名を連ねる団体として、その主張が教育の場で採用されることもありました
多くの書籍ではジャクソンが創設した団体として「両手利き文化協会」のみ紹介されていますが、彼は「両手利き文化および直立文字の協会」もつくったのです
掲げたスローガンは「左手への公正と平等」。両手利きだけでなく、ブロック体で文字そのものを斜めに傾けない直立文字まで推奨し、左手で書きやすいよう書体の左右中立をめざした点が、当時としては画期的でした
また賛同者として、両手利きの人物伝に名を連ねるボーイスカウトの創始者ロバート・ベーデン=パウエル、ヴィクトリア女王直属の絵画教師で画家のエドウィン・ランドシーアといった著名人が挙げられます
● 「両手利き」思想に基づく教育広まる 一方で批判や疑問視する声も高まった
ちなみに、両手利きの推奨は左利きに右手づかいを暗にほのめかす手段として批判されがちですが、ジャクソン自身は「左利きは左利きとしてその天分を生かすべきだ」と主張
また国家的事業にまで発展しなかったものの、この進歩的な思想にもとづく教育が多くの初等学校で採用されました
たとえばイギリス王位継承者や歴代の首相の多くが学んだイートン校では、進級に向けて左手で書く訓練を定めた時期があったといわれています
そのいっぽう、この未来の人間像に対する批判も絶えませんでした
協会への「常識はずれの連中だ」との悪評、両手利きがもたらすと考えられてきた効能に対する疑問視・・・
こうした逆風のみならず、道なかばにしてジャクソンが他界したこともあり、人びとの関心が遠のき、消滅する運命をたどりました
20世紀初頭といえば世界各国で最も左利きが矯正された時期ともいえますが、それはさておき、ジョン・ジャクソンは自著において、ロンドンで開催された万国博覧会で日本の工芸品に強く感動し、「日本こそ両手利き文化の模範」と絶賛していました
ともあれ、19世紀後半から20世紀前半にかけて「両手利き」の推進論者が掲げていた、左手教育がもたらすメリットをいくつか挙げてみます
(1)両手を使えば身体のバランスがよくなるだけでなく、バランスのとれた左脳と右脳の発達が可能となり、ひいては知力・理解力・記憶力が増進する
(2)両手を交互に使えるため疲労感が軽減する
(3)大脳の機能障害(脳卒中など)による失語症の予防や軽減
(4)人間個々の能力だけでなく国益も増進する
これらを俯瞰すると、現代的な視点では大きく足りないことがあります
そう、大脳半球がもつ「もうひとつの能力」が語られていなかったのです
● 手術で判明した大脳半球の左右非対称性 右脳は空間や図形認知を司る
霊長類のなかで唯一コトバを使いこなし、利き手についても右利きが多数派(マジョリティ)である人類
ゆえに「右利きこそ人間としての進化の証左」であり、2つの大脳半球についても、右手のはたらきをコントロールする「左脳」には言語中枢があることから優位脳とされ、「右脳」はものいわぬ劣位脳とみなされていました
また左利きについては右利きとは対照的に「右脳」に言語中枢があるのではといった推測程度の認識でした
この長らく君臨してきた通説にコペルニクス的転回が訪れたのは1960年代のこと
ロジャー・スペリーをリーダーとする研究チームが、癲癇をもたらす病巣の転移を防ぐために行なった、左脳と右脳をつなぐ脳梁(のうりょう)を切断する交連切開術から、大脳半球の機能が左右非対称であることを発見したのです
これにより「右脳は空間や図形の認知や音楽的な能力を司る」という見解が定着し、その功績が認められ、1981年にはノーベル医学生理学賞を受賞しました
● 巻き起こった「右脳神話」ブーム 「両手使い」の実践は個人の自由
その後、偉大なる発見をもたらした基礎研究を応用するかのごとく、多くの能力開発家が独自のメソッドを展開する過程で「右脳神話」ブームが巻き起こります
その核たる「右脳」のかくれた能力を引き出す方法については多種多様です
スマートフォンアプリなどでのイメージトレーニングや瞑想、自然とのふれあい、本を反対から読む・・・
調べだすと枚挙にいとまがありませんが、なかでも「左手および左半身を意識して使う」という方法こそ、「右脳を刺激しやすい」という理由から好奇心あふれる右利きの人が実践しがちです
その背景に「左利きは左手の動きを司る右脳が利き脳だから芸術的な才能にあふれた天才が多い」「右利き優位社会で生きる左利きは、非利き手である右手を器用に使える」といった、イメージ先行型の左利き賛美があることも見逃せません
さらに両手づかいを実践することで得られる効能として、次のような事例を挙げる能力開発家や医師がいます
認知症予防、脳梗塞による半身不随でのダメージ軽減、国民医療費の低減・・・
また左手ではなく、右手を積極的に使うことで比較的左利きが苦手とする「左脳」的な言語能力を鍛えられるとする見解も存在します
あたかも混迷する社会を打開する21世紀のメソッドに見えますが、1世紀という時を経たとて、基本的な思考の枠組みは前世紀以前の両手利き推奨運動と大きくは変わりません
スペリーらの基礎研究によって、より脳科学的な後ろ盾が加わったバージョンア
ちなみに筆者の「両手づかいのすすめ」についての見解は以下のとおりです
「否定はしない。大人が試みることは個人の自由であり効果が期待できるものの、すべての人にあてはまるわけではない。そして左利きの子どもに対する矯正の口実に利用することだけは避けたい!」
(この記事は、DIAMOND onlineの記事で作りました)
天才に左利きが多いイメージはありますね
「20世紀最大の天才(物理学者)」アインシュタイン、「20世紀最大の芸術家」ピカソや「万能の天才」ダ・ヴィンチ、「ギターの天才」ジミ・ヘンドリックス、海外サッカーのメッシなども左利きといわれます
しかし、日本のプロ野球で天才といわれる長嶋茂雄は右利きです
左利きに天才が多いことも否定しませんが、要はその人個人によると思います
あと思うのは、以前のように左利きを右利きに矯正することが減りましたね
個人的には左利きも尊重すべき「個性」と思っています
左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ (PHP新書) 新書
世の中は右利きが多く、右利き用に作られているものが多く、左利きに不便な点も多い
しかしこの「逆境」で活躍している左利きも多い
左利きの有名人のエピソード、左利きの有名人、左利きも暮らしやすい社会への取り組みも紹介
「眠る右脳の潜在能力を引き出すため、左手を積極的に使う」という100年を超す議論の道のりを辿る
本稿は、大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』(PHP新書)の一部を抜粋・編集したものです
● 本当に左利きの脳と身体は優秀なのか? 100年以上前の「両手利き」運動の真相
眠っている右脳の潜在能力を引き出すために左手を積極的に使おう──そんなメソッドが推奨されることもある能力開発において、とかくポジティブに受け取られることが多い左利き
話題ばかりが先行して「右脳神話」ともいうべき様相を呈していますが、すべての左利きに天賦の才が与えられている訳ではありません
おまけに紋切り型の「右脳神話」が横行しすぎると、かえって「右利き優位の社会」の問題点が雲隠れする危惧すら感じます
本当に左利きの脳と身体は優れているのか?手放しに左利きを賞賛するのではなく、多面体ともいえる左利きの特徴についてひもといてみます
脳科学の黎明期ともいえる19世紀末から20世紀初頭にかけ、国内外で両手利きの人間を養成する提案および運動が起こりました
代表的な例として、日本では1890(明治23)年に加藤弘之が提唱した「左手教練説」、そしてイギリスでは1903年に『両手利き』(未邦訳)の著者であるジョン・ジャクソンが設立した「両手利き文化および直立文字の協会」があります
賛同者に恵まれず日の目を見ることもなかった加藤の「左手教練説」とは対照的に、ジャクソンの「両手利き文化および直立文字の協会」は、著名な支持者や50人の委員が名を連ねる団体として、その主張が教育の場で採用されることもありました
多くの書籍ではジャクソンが創設した団体として「両手利き文化協会」のみ紹介されていますが、彼は「両手利き文化および直立文字の協会」もつくったのです
掲げたスローガンは「左手への公正と平等」。両手利きだけでなく、ブロック体で文字そのものを斜めに傾けない直立文字まで推奨し、左手で書きやすいよう書体の左右中立をめざした点が、当時としては画期的でした
また賛同者として、両手利きの人物伝に名を連ねるボーイスカウトの創始者ロバート・ベーデン=パウエル、ヴィクトリア女王直属の絵画教師で画家のエドウィン・ランドシーアといった著名人が挙げられます
● 「両手利き」思想に基づく教育広まる 一方で批判や疑問視する声も高まった
ちなみに、両手利きの推奨は左利きに右手づかいを暗にほのめかす手段として批判されがちですが、ジャクソン自身は「左利きは左利きとしてその天分を生かすべきだ」と主張
また国家的事業にまで発展しなかったものの、この進歩的な思想にもとづく教育が多くの初等学校で採用されました
たとえばイギリス王位継承者や歴代の首相の多くが学んだイートン校では、進級に向けて左手で書く訓練を定めた時期があったといわれています
そのいっぽう、この未来の人間像に対する批判も絶えませんでした
協会への「常識はずれの連中だ」との悪評、両手利きがもたらすと考えられてきた効能に対する疑問視・・・
こうした逆風のみならず、道なかばにしてジャクソンが他界したこともあり、人びとの関心が遠のき、消滅する運命をたどりました
20世紀初頭といえば世界各国で最も左利きが矯正された時期ともいえますが、それはさておき、ジョン・ジャクソンは自著において、ロンドンで開催された万国博覧会で日本の工芸品に強く感動し、「日本こそ両手利き文化の模範」と絶賛していました
ともあれ、19世紀後半から20世紀前半にかけて「両手利き」の推進論者が掲げていた、左手教育がもたらすメリットをいくつか挙げてみます
(1)両手を使えば身体のバランスがよくなるだけでなく、バランスのとれた左脳と右脳の発達が可能となり、ひいては知力・理解力・記憶力が増進する
(2)両手を交互に使えるため疲労感が軽減する
(3)大脳の機能障害(脳卒中など)による失語症の予防や軽減
(4)人間個々の能力だけでなく国益も増進する
これらを俯瞰すると、現代的な視点では大きく足りないことがあります
そう、大脳半球がもつ「もうひとつの能力」が語られていなかったのです
● 手術で判明した大脳半球の左右非対称性 右脳は空間や図形認知を司る
霊長類のなかで唯一コトバを使いこなし、利き手についても右利きが多数派(マジョリティ)である人類
ゆえに「右利きこそ人間としての進化の証左」であり、2つの大脳半球についても、右手のはたらきをコントロールする「左脳」には言語中枢があることから優位脳とされ、「右脳」はものいわぬ劣位脳とみなされていました
また左利きについては右利きとは対照的に「右脳」に言語中枢があるのではといった推測程度の認識でした
この長らく君臨してきた通説にコペルニクス的転回が訪れたのは1960年代のこと
ロジャー・スペリーをリーダーとする研究チームが、癲癇をもたらす病巣の転移を防ぐために行なった、左脳と右脳をつなぐ脳梁(のうりょう)を切断する交連切開術から、大脳半球の機能が左右非対称であることを発見したのです
これにより「右脳は空間や図形の認知や音楽的な能力を司る」という見解が定着し、その功績が認められ、1981年にはノーベル医学生理学賞を受賞しました
● 巻き起こった「右脳神話」ブーム 「両手使い」の実践は個人の自由
その後、偉大なる発見をもたらした基礎研究を応用するかのごとく、多くの能力開発家が独自のメソッドを展開する過程で「右脳神話」ブームが巻き起こります
その核たる「右脳」のかくれた能力を引き出す方法については多種多様です
スマートフォンアプリなどでのイメージトレーニングや瞑想、自然とのふれあい、本を反対から読む・・・
調べだすと枚挙にいとまがありませんが、なかでも「左手および左半身を意識して使う」という方法こそ、「右脳を刺激しやすい」という理由から好奇心あふれる右利きの人が実践しがちです
その背景に「左利きは左手の動きを司る右脳が利き脳だから芸術的な才能にあふれた天才が多い」「右利き優位社会で生きる左利きは、非利き手である右手を器用に使える」といった、イメージ先行型の左利き賛美があることも見逃せません
さらに両手づかいを実践することで得られる効能として、次のような事例を挙げる能力開発家や医師がいます
認知症予防、脳梗塞による半身不随でのダメージ軽減、国民医療費の低減・・・
また左手ではなく、右手を積極的に使うことで比較的左利きが苦手とする「左脳」的な言語能力を鍛えられるとする見解も存在します
あたかも混迷する社会を打開する21世紀のメソッドに見えますが、1世紀という時を経たとて、基本的な思考の枠組みは前世紀以前の両手利き推奨運動と大きくは変わりません
スペリーらの基礎研究によって、より脳科学的な後ろ盾が加わったバージョンア
ちなみに筆者の「両手づかいのすすめ」についての見解は以下のとおりです
「否定はしない。大人が試みることは個人の自由であり効果が期待できるものの、すべての人にあてはまるわけではない。そして左利きの子どもに対する矯正の口実に利用することだけは避けたい!」
(この記事は、DIAMOND onlineの記事で作りました)
天才に左利きが多いイメージはありますね
「20世紀最大の天才(物理学者)」アインシュタイン、「20世紀最大の芸術家」ピカソや「万能の天才」ダ・ヴィンチ、「ギターの天才」ジミ・ヘンドリックス、海外サッカーのメッシなども左利きといわれます
しかし、日本のプロ野球で天才といわれる長嶋茂雄は右利きです
左利きに天才が多いことも否定しませんが、要はその人個人によると思います
あと思うのは、以前のように左利きを右利きに矯正することが減りましたね
個人的には左利きも尊重すべき「個性」と思っています
左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ (PHP新書) 新書
世の中は右利きが多く、右利き用に作られているものが多く、左利きに不便な点も多い
しかしこの「逆境」で活躍している左利きも多い
左利きの有名人のエピソード、左利きの有名人、左利きも暮らしやすい社会への取り組みも紹介