2024年05月29日

離れていても互いによく似た生物が誕生する「平行進化」の不思議

進化とは、ゆっくりと進行する、長期的かつ継続的な実験だ
自然はその間、さまざまな形状や戦略を試しながら、生存し繁殖していく上で何が最も効果的かを探っていく

生物の種は、時間とともに少しずつ変化し、環境に適応し、リソースを奪い合い、遺伝子を次の世代へと伝える
新しい種と多様な生き物は、こうしたプロセスを経て生み出されていくのだ

種はたいてい、進化によって異なる環境に適応しながら枝分かれし、それぞれ違ったものへと変化していく
これを分岐進化(divergent evolution)という
遠い親戚であるクジラとカバが、異なる暮らし方に適応し、まったく異なる見た目になったのがそうした事例だ
片方は海へと向かい、もう片方は、半水生動物として地上の生活を選んだ

こうした分岐進化とは異なる概念として、「平行進化(parallel evolution)」がある
これは通常、似通った遺伝的背景から出発した近縁種同士が、しばしば似通った環境への反応として、それぞれが独立して類似した特徴を進化させることを指す
こうした平行進化は特に、地理的に離れていても同様の生態学的困難に直面する種のあいだで起こり得る

平行進化の例
以下では、平行進化を遂げた2種類の生物を例にとり、そうなった理由を説明しよう

■1.ソロモン諸島に生息するコウモリ

南太平洋に浮かぶソロモン諸島の密林には、リーフノーズド・バット(顔に葉のような突起が密集しているのが名前の由来)という、カグラコウモリ属のコウモリが生息している
平行進化したことが実によくわかる生物の一例だ

東南アジアや太平洋全域の島々に広く分布するこのコウモリ群は、自然環境から同じような圧力を受けると、近縁種のあいだで、体の大きさなど重要な特徴が平行進化することを示している

2024年3月に学術誌のEvolutionに掲載された研究では、系統樹が作成され、大型であることから近縁種だと考えられてきたコウモリの個体群が、実際には側系統(paraphyly)だったことが裏付けられた
要するに、これまでの考えに反して、直接の先祖が同じだったわけではないということだ

この発見は、カグラコウモリ属の大型コウモリが、この個体群の歴史のなかで、最低でも2回は別々に進化したことを示している
これらのコウモリのあいだで、体の大きさが平行進化したことは、とりわけ興味深い
なぜなら、特定の環境下では、体を大型化しようとする選択圧が働くことを示唆しているからだ
その要因としては、餌を手に入れるため、あるいは、捕食者を回避するためといったことが考えられる

さらに、複数の島々(時には同じ洞窟内)で同時に見つかった小型と大型の近縁種間では、異種交配が見られなかった
この事実は、強力な生殖隔離が急速に出現したことを示している
これは、孤立した環境では、複雑な進化的変化が非常に速やかに起きることを浮き彫りにしている

■2. カリブ諸島に生息するアノールトカゲ類

カリブ諸島に生息するさまざまなアノールトカゲ類もまた、平行進化を遂げた生物の好例だ
それぞれの島で、独特のアノールトカゲ集団が生まれ進化してきたが、そうした集団の多くが、驚くほど似通った身体的特徴をもっているのだ

これらのアノールトカゲ類は、異なるエコモルフ(ecomorph:生息する空間ごとに異なる形態や行動)を進化させてきた
つまり、樹幹や樹冠、草地など、特定のマイクロハビタット(微小生息域)に適応した、共通の表現型を持つ種の集まりなのだ

これらのアノールトカゲは、海によって物理的に隔てられ、別々に生息しているにもかかわらず、その特定の生態学的な役割に沿った平行適応を示している
例えば、別々の島に生息する「幹-地上生活型(Trunk-ground)」のアノールトカゲは、それぞれが別々に進化したが、どれも四肢のサイズが大きくなった
手足が大きければ、地上を素早く移動したり、大きな幹を上ったりするのに適している

一方、「細い枝先を好むアノールトカゲ(twiq anole)」は、四肢が短く、体も小さく進化した
おかげで、枝が多くて入り組んだ環境でも、機敏に動き回ることができる

こうした、マイクロハビタットに応じた特定の適応は、自然が進化の経路を正確に変えられることを裏付けている
そうした進化の経路は、それぞれの環境がつくり出す独特の課題に応じた微調整を行うなかで、平行した道を描いたのだ

カリブ海のアノールトカゲに見られる平行進化は、環境からの圧力が、進化の結果を左右していることの証だ
それと同時に、自然淘汰がもつ驚くべき力をも浮き彫りにしている
種は、似通った生態学的困難に直面すると、似通った解決策を編み出すのだ

カリブ海に生息するアノールトカゲの研究は、生命の多様性をかたちづくる進化の、微妙だが強力な力に光を当てるものだ
そして、生命体がそれぞれのニッチ(生態的地位)において、いかに適応し繁殖していくのかについて洞察を与えてくれる

こうした平行進化の例は、生物多様性に関する我々の理解を深め、さらには、適応を通して生き抜いていく自然の独創性について思い起こさせるものだ

(この記事は、Forbes JAPANの記事で作りました)

進化とは、自然淘汰とは不思議で実に「絶妙」なものだ

離れていても互いによく似た生物が誕生する「平行進化」が起こる

困難や問題などに同じ解決・進化をする

進化はさまざまだ

ヘビのように、手足をなくす一見「退化」と思われる進化、クジラ類などのように陸から海に「戻る」進化(生命は海から陸が大多数)、カタツムリが殻を脱ぎ捨てナメクジになる進化など


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進化論はダーウィンが先駆者だ
著者自身の知見、研究成果やダーウィンからバトンを受け継いだ進化生物学者たちなどを紹介
進化の醍醐味、不思議さ、面白さなどがわかる
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2024年05月28日

日経平均株価は反発

27日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)などは、戦没将兵追悼記念日でお休み




27日(日本時間)の日経平均株価は反発し、終値は前週末比253円91銭高の3万8900円02銭


(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
posted by june at 06:33| Comment(0) | 株価動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コンクリートの赤い虫「カベアナタカラダニ」の駆除方法

コンクリート・アスファルトで目を凝らせば見つかる“小さな赤い生き物”「カベアナタカラダニ」とは 潰すと赤い汁が・・・そしてメスしか確認されていない不思議な生態



春を告げにやってきて、夏の到来とともに去っていく不思議な生き物「カベアナタカラダニ」をご存じでしょうか

名前は知らなくても、きっと見たことはあるはずです
コンクリートの壁を動き回る、あの「小さな赤い生き物」です

害虫駆除などを手掛ける、東洋産業の大野竜徳さんは「タカラダニは今、都市部で目を凝らせば、見つからないほうが少ないくらい発生している」といいます

ーそんなに身近な生き物なのでしょうか?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「気にしなければ目に映りにくいですが、よくよく見ているとコンクリートやアスファルト、壁に材木、ざらざらした面が大好きで、天気のいい日の日当たりのいい場所には大体いて、よく目を凝らすと見えてきます」

「特に街中や道路沿いなど、ほかの生き物があまりいない場所に逆に多くみられる生き物です。車のタイヤにくっついていることもあります」

「カベアナタカラダニは、暑いくらいの日にあちこち動き回って、飛んできた花粉や落ちてきた虫などを食べています。夜や天気の悪い日は、建物に生じた隙間(クラック)やコケの布団の中で休んでいるものが観察されます」

■その生態は・・・メスしか確認されておらずクローンのような生殖か?

(東洋産業 大野さん)
「カベアナタカラダニは、1mmくらいの真っ赤な小さなダニです。3月末、サクラが咲くころから見かけ始め、梅雨前に最も数が多くなるように感じます。梅雨の終わりとともに数をめっきり減らし、夏真っ盛りの8月ころには目にしなくなります。1年の間で言うと、春先に卵からふ化し、梅雨明けには産卵を終えて死んでいくものが多いのでしょう。このカベアナタカラダニは、メスしかまだ確認されていないとされていて、クローンのような生殖をおこなっていると考えられます」

(東洋産業 大野さん)
「さて、この真っ赤なタカラダニ、不思議な名前だと思いませんか?うろうろどこからかやってきて、潰すと赤い汁が出る。白い洗濯物などについたら赤みがかったオレンジ色の体液でせっかく洗濯したのに汚れを付けてしまいます」

ーそんなダニの何が「タカラ」だというのでしょう?

(東洋産業 大野さん)
「それはこのグループの仲間の生態によります。タカラダニの仲間には寄生性のものがいて、例えばセミやカマキリ、クモなどにとりついてその体液を吸います。とりつかれた生き物はタカラダニが取りついたままで生活します。当然人が近づいたら逃げますし、飛んで行ってしまいます。その姿が、真っ赤な『タカラ』をもった生き物がいる、ということで名づけられたのかもしれません」

ータカラダニは家の中にもいるのでしょうか?

(東洋産業 大野さん)
「カベアナタカラダニは家の中で発生することはなく、外で生活をしているものが家の中に入ってきます。研究された事例が少なく、昔は『ハマベアナタカラダニ』と呼ばれていました。春先に突然現れ、夏には消えていくこの不思議な生き物のことは何もわかっておらず、冗談半分に
「春の風に乗って空から降ってきているんじゃないか?」
「春先に宇宙から侵略してくる宇宙ダニだ!」
みたいなトンデモ話で笑っていました。
近年、その生態がわかってきて、『ハマベアナタカラダニ』とは違う種類だということや、エサは花粉で、産卵は近くのコケや建物に生じた隙間(クラック)に多いということが明らかになってきています。確かに、よく見てみると、家の玄関の花瓶の中でおぼれたり、花の雄しべにくっついていたりするのを見たことがあります」

ー駆除したい場合はどうすればよいのでしょうか

(東洋産業 大野さん)
「残念ながら、こうすればいなくなる!という方法はないのですが、どうしても気持ちが悪いので、一時的でもいいのでいなくなってほしい、というときには市販の殺虫剤。スプレータイプや液剤タイプなどの薬剤は大体効きます。また、日当たりのいい乾燥した場所が好きなので、水を撒くと嫌がって一時的にいなくなります。でも、ずっと濡らしているとコケが生えてしまうので逆効果です。おうちや外構のメンテナンスや掃除は根本的によい対策になります。コンクリートやブロック塀、おうちやマンションの屋上をつるつる目に防水塗装してしまうのも手です。ざらざらしたところやもこもこしたコケが生えたところ、隙間などを埋めてしまうと、歩きにくく、潜みにくい、しかも空から飛んでくる花粉や虫の死骸が引っかからなくなるのでその数がずいぶん減ります」

ー見た目がいかにも「害虫」のようですが、人にはどんな害がありますか?

(東洋産業 大野さん)
「真っ赤な色でさも血を吸ったり、人の体に害を与えそうに見えるかもしれませんが、人とは無縁の生活を送っています。みなさんの身の回りにも今、たくさんいるはず。1年のうち、春から梅雨明けまでの短い間だけたくさんその姿を見ることができる不思議な生き物です。外で腰掛けたり手をついたりするその前に、そこにいないかちょっと見てみましょう」

(この記事は、RSK山陽放送の記事で作りました)

そういえば、コンクリートなどで小さな赤い虫をよく見かけましたね

「カベアナタカラダニ」といい、メスしか確認されておらずクローンのような生殖をおこなっていると考えられているそうです

駆除は一般の殺虫剤が有効のようです

昆虫は不思議な生き物です

小さな体で地球上で最も繁栄している種で、恐竜より以前から存在

(人減の大きさに換算すると)驚異の身体能力をもつもの、驚異の生命力をもつもの、異形の姿、異色の生態、体のつくりなどを持ち、そのため地球外外の宇宙の宇宙飛来・起源説もあります

現在の地球のある意味頂点にいる人類の唯一の「天敵」ともいえます(ウイルスとともに)

人類の脅威・ウイルスを媒介しています



世界でいちばん素敵な昆虫の教室 (世界でいちばん素敵な教室シリーズ) 単行本

地球上で最も繁栄している種・昆虫
その昆虫のギモン、謎、不思議な生態、世界、魅力などを紹介
posted by june at 03:19| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月27日

【知ってる?】「ビッグバン以前には何があった?」という謎への答えとは?

いま人類は、AI革命、パンデミック、戦争など、すさまじい変化を目の当たりにしている
現代人は難問を乗り越えて繁栄を続けられるのか、それとも解決不可能な破綻に落ち込んでしまうのか
そんな変化の激しいいま、「世界を大局的な視点でとらえる」ためにぜひ読みたい世界的ベストセラーが上陸した
17か国で続々刊行中の『早回し全歴史──宇宙誕生から今の世界まで一気にわかる』(デイヴィッド・ベイカー著、御立英史訳)だ
「ビッグバンから現在まで」の138億年と、さらには「現在から宇宙消滅まで」に起こることまでを一気に紐解く、驚くべき1冊だ
本稿では本書より特別にその一節を公開したい

● 「ビッグバン以前」には何があったのか?

ビッグバン以前に時間は存在しなかった
したがって「ビッグバン以前」というものはない
ビッグバンの前にも何かがあったという考えは、子どもが父親と母親を引き合わせたと考えるようなもので、論理的に不可能である

ビッグバン以前には宇宙も存在しなかった
ビッグバン以前には、何かが起こる空間がなかった
ビッグバン後、宇宙は顕微鏡でも見えないほど小さなサイズから現在の930億光年の大きさにまで拡大した(さらに拡大を続けている)

空間はビッグバン後に生まれたものだ
ビッグバン以前は、何かが動けるような空間はなく、何らかの変化が生じるような場もなかった
変化がなければ何も起こらず、歴史もない
時間によって計られる、意味あるものは何も存在しない

要するに、ビッグバン以前に空間はなく、変化もなく、動いたり形を変えたりするものもなかった

もしビッグバン以前に何かが存在していたとすれば、それは人間にとっても、人間が知っている宇宙の基本法則にとっても、理解する手がかりさえない異質なふるまいをする何かであるはずだ
そこには、原因があって結果があるという順序も、過去・現在・未来という時の流れもない

よって、私たちの歴史はビッグバンから始まったのである

(本稿は、デイヴィッド・ベイカー著『早回し全歴史──宇宙誕生から今の世界まで一気にわかる』からの抜粋です)

(この記事は、DIAMOND onlineの記事で作りました)

ビックバン以前に何があったのか、この「そもそも論」・・・

ビックバンが起こらなければ、空間も時間さえも誕生しなかったという

ビックバンが起こったから宇宙が誕生したという

ビックバン以前は空間も時間さえもなく、宇宙そのものもなかったという、まさに人知を超えた「話」になる


早回し全歴史 ──宇宙誕生から今の世界まで一気にわかる 単行本(ソフトカバー)

「宇宙の歴史」が一気にわかる世界的ベストセラーの邦訳
(宇宙)誕生から現在までがわかり、現代から(宇宙)消滅までもひも解いている
posted by june at 12:18| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大相撲夏場所は大の里が12勝3敗で初優勝

26日の大相撲夏場所千秋楽は3敗で単独トップの小結・大の里が関脇・阿炎に勝ち(幕内最高)優勝

大の里は幕下付け出し

幕下での初土俵からの7場所での優勝は史上最速

新入幕から3場所での優勝

11勝(敢闘賞)、11勝(敢闘賞、技能賞)、12勝(優勝、殊勲賞、技能賞)

また今場所は新小結で三役で10勝以上の大関昇進の起点となった

優勝 大の里 12勝3敗(初)

三賞
殊勲賞 大の里(初)
敢闘賞 欧勝馬(初)
技能賞 大の里(2回目)


令和5年大相撲、 平幕『大の里』関、手形、サイン、 (真筆、肉筆)色紙

令和6年夏場所、幕下初土俵から7場所で優勝した大の里の手形サイン
posted by june at 09:18| Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする