4日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)は、4営業日続落し、終値は前日比530ドル16セント安の3万8596ドル98センで3万9000ドルを割り込んだ
ハイテク株中心のナスダックは228.38ポイント安の1万6049.08
4日(日本時間)の日経平均株価は反発し、終値は前日比321円29銭高の3万9773円14銭
(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
4日のダウ平均株価の終値は前日比530ドル超の大幅下落
4日の日経平均株価の終値は前日比320円超の大幅上昇
2024年04月05日
老いるのは人間だけ? 東京大学教授が語る「老いるのは理由がある」
なぜ?
ゾウは「ガン」にならないし、「老化」もしない
小林教授は現在、遺伝子が壊れないようにする研究を続けている
「これがうまくいくと、ガン、認知症におびえることがなくなります」©森清
ヒトはいつかは老いる
年を重ねれば、病気にもなるし、ボケるのも心配だ
とくに心配なのはガン
日本人の2人に1人はガンに罹患し、男性は4人に1人、女性は6人に1人がガンでなくなるという
死ぬまで元気でいたい
ピンピンコロリが理想だと考える人は多いだろう
「それを実現しているのがゾウ。ゾウの中には60年以上生きるものもいますが、あれだけ体が大きくて、細胞の数が多いのに、ガンにはならないのです。死ぬ直前まで仲間と数十kmを歩くなど、老化症状も示しません」
こう言うのは、『なぜヒトだけが老いるのか』の著者、東京大学定量生命科学研究所教授の小林武彦氏
小林教授によると、ガンや認知症になるのは、加齢とともにDNAが徐々に壊れ、細胞が老化するから
けれど、ゾウはp53に加えてLIF6という遺伝子を持っているためガンにはならないのだとか
「p53は老化細胞を除去する働きがあり、LIF6はp53の働きを助ける遺伝子です
DNAが傷つくことでガンになりますが、ゾウは傷ついた細胞を殺して排除する能力に長けている
老化して傷ついた細胞も排除されるため、ゾウは老化症状を示さず、死ぬ直前まで仲間とともに数kmを歩く
心筋梗塞など循環器系の不具合で死ぬことが多いのです」
なんとうらやましい
ところが、LIF6はゾウだけが持つ遺伝子で、ヒトにはない
現在、ヒトにLIF6を入れたらどうなるかという研究が行われているそうだが、まだ目途はたっていないとか
◆老いたヒトの知恵・知識・利他性が人類を強い集団にした
ほとんどの野生動物は生殖能力を失うと寿命が尽きる
なぜヒトだけが生殖能力を失っても何十年も生きているのか
医学の進歩のおかげなのか?
「医学の発達だけで寿命が延びたわけではありません。病気になれば医療は必要ですが、それよりももっと大切なのは、栄養状態と公衆衛生。
食べ物が豊富になり免疫力が高まり、生活環境がクリーンになることで伝染病が減ったことが最近寿命を延ばした大きな要因です。けれど、それよりももっと前から老いたヒトがいる集団が有利だったのです」
人類の歴史は700万年前から始まる
そのころから徐々に寿命を伸ばしてきたと考えれば、確かに医学は関係ないのかもしれない。
「ヒトは700万年前に森から出て、平地で集団で生きる道を選びました。そして、老いたヒトがいる集団のほうが勝ち残ってきた。なぜかというと、老いたヒトはさまざまな経験を積んで知識や技術、知恵があり、集団をまとめる力があるからです」
若いときはエネルギーがあり、いろいろ挑戦し、仕事などでも競い合う、いわゆる“挑戦的・競争的”なライフスタイル
それが年齢を重ね、エネルギーが減少するにつれ、視野が広がり、いろいろなことに口を出したくなる“協力的・公共的”なライフスタイルに変わる
それまでに蓄えた知識・技術・経験や、集団をまとめる利他性が社会を安定させ、子どもを教育する重要な要素になっていたのではないかと小林教授は言う
目がしょぼしょぼしたり、体力がなくなるのも利己から利他への意識の変化に必要なのだ
「老いたヒトが社会の役に立たないのなら、寿命が延びることはありませんでした。実際、チンパンジーはどんなに長生きしても、50歳を超えることはまずありません。チンパンジーの社会の中で老いたチンパンジーは必要とされなかったのでしょう」
◆人材、知財を流出させる「日本の定年制」
ヒトがなぜ長生きになったかというと、年長者が社会貢献的であったから
世の中には“老害”という言葉があるが、
「それは一部の高齢者に対してのことですよね。若い人にもよくない人はいるのに、“老害”と高齢者をひとくくりにしてバッシングするのは非常に危険です。まして日本のような高齢化が進む国では高齢者を負担だと思ったら、未来はないと思います」
経験を積んでバランスよく調整できる高齢者(シニア)は、今の日本では大事な資源
シニアを生かす社会システムが必要だと言う。
「そのためには、まず定年制のような年齢での差別はやめたほうがいいと思います。定年が決まっていると、全部そこから逆算して若い人にもいろいろな年齢制限がついてしまいます。
たとえば65歳定年だと、60歳で転職できない。私たち研究職も60歳を過ぎると、学位取得まで指導できない可能性もあり、新しい大学院生をとらなくなる。研究者の中には定年のない海外へ移ってしまう人もいる。人材も知財も流出してしまう。何もいいことはありません」
健康でいる間は働いたほうがいいと、小林教授は言う
「なぜ働きたくないのかというと仕事に生きがいがないから。そういう人のために転職がある。やりたい仕事なら楽しいし、好きだったら続けられる。定年制は転職の妨げにもなっています。1日も早くなくしたほうがいいと思います」
高齢化が進み、出生率の低下が問題となっている昨今、ヒトは昆虫のような生き方になる可能性があると小林教授は言う。
「ミツバチやアリは女王が子どもを産んで、働きバチや働きアリがそれを支える。集団として種を維持しようとしたとき、ミツバチやアリは分業しているんです。そういう選択をヒトもするようになるかもしれない」
子どもを産んだ人を社会が徹底的にサポートする社会
現実にそういうふうに進んでいる部分もある
生き残るために、老いることを選んできたヒト
これからどのような道を選んでいくのだろう
小林武彦
東京大学定量生命科学研究所教授
生命の連続性を支えるゲノムの再生(若返り)機構、ゲノムの再生メカニズムの不調が引き起こす細胞老化、ガン化の機構を研究
著書に『寿命はなぜ決まっているのか』(岩波ジュニア新書)、『DNAの98%は謎』(講談社ブルーバックス)、『生物はなぜ死ぬのか』『なぜヒトだけが老いるのか』(以上、講談社現代新書)など
取材・文:中川いづみ
(この記事は、FRIDAY DIGITALの記事で作りました)
[老人の知恵」などヒトは老人を大切にしてきたことが多い
年を取るとチャレンジ精神がなくなったりすることが多いし、体力なども落ちる
しかし、経験や知恵は増え、社会に貢献している
ヒトの寿命が延びたのは、医学の進歩もあるが、公共衛生や食事の充実なども大きいと思う
空気はヒトにとって必要不可欠だが、毎日の食事も重要だ
なぜなら「ヒトは食事で作られるから」
なぜヒトだけが老いるのか (講談社現代新書) 新書
なぜヒトだけが老いるのか
自然界の厳しさもあるかもしれませんが・・・
ヒトが老いる「意味」や「意義」について考える
ゾウは「ガン」にならないし、「老化」もしない
小林教授は現在、遺伝子が壊れないようにする研究を続けている
「これがうまくいくと、ガン、認知症におびえることがなくなります」©森清
ヒトはいつかは老いる
年を重ねれば、病気にもなるし、ボケるのも心配だ
とくに心配なのはガン
日本人の2人に1人はガンに罹患し、男性は4人に1人、女性は6人に1人がガンでなくなるという
死ぬまで元気でいたい
ピンピンコロリが理想だと考える人は多いだろう
「それを実現しているのがゾウ。ゾウの中には60年以上生きるものもいますが、あれだけ体が大きくて、細胞の数が多いのに、ガンにはならないのです。死ぬ直前まで仲間と数十kmを歩くなど、老化症状も示しません」
こう言うのは、『なぜヒトだけが老いるのか』の著者、東京大学定量生命科学研究所教授の小林武彦氏
小林教授によると、ガンや認知症になるのは、加齢とともにDNAが徐々に壊れ、細胞が老化するから
けれど、ゾウはp53に加えてLIF6という遺伝子を持っているためガンにはならないのだとか
「p53は老化細胞を除去する働きがあり、LIF6はp53の働きを助ける遺伝子です
DNAが傷つくことでガンになりますが、ゾウは傷ついた細胞を殺して排除する能力に長けている
老化して傷ついた細胞も排除されるため、ゾウは老化症状を示さず、死ぬ直前まで仲間とともに数kmを歩く
心筋梗塞など循環器系の不具合で死ぬことが多いのです」
なんとうらやましい
ところが、LIF6はゾウだけが持つ遺伝子で、ヒトにはない
現在、ヒトにLIF6を入れたらどうなるかという研究が行われているそうだが、まだ目途はたっていないとか
◆老いたヒトの知恵・知識・利他性が人類を強い集団にした
ほとんどの野生動物は生殖能力を失うと寿命が尽きる
なぜヒトだけが生殖能力を失っても何十年も生きているのか
医学の進歩のおかげなのか?
「医学の発達だけで寿命が延びたわけではありません。病気になれば医療は必要ですが、それよりももっと大切なのは、栄養状態と公衆衛生。
食べ物が豊富になり免疫力が高まり、生活環境がクリーンになることで伝染病が減ったことが最近寿命を延ばした大きな要因です。けれど、それよりももっと前から老いたヒトがいる集団が有利だったのです」
人類の歴史は700万年前から始まる
そのころから徐々に寿命を伸ばしてきたと考えれば、確かに医学は関係ないのかもしれない。
「ヒトは700万年前に森から出て、平地で集団で生きる道を選びました。そして、老いたヒトがいる集団のほうが勝ち残ってきた。なぜかというと、老いたヒトはさまざまな経験を積んで知識や技術、知恵があり、集団をまとめる力があるからです」
若いときはエネルギーがあり、いろいろ挑戦し、仕事などでも競い合う、いわゆる“挑戦的・競争的”なライフスタイル
それが年齢を重ね、エネルギーが減少するにつれ、視野が広がり、いろいろなことに口を出したくなる“協力的・公共的”なライフスタイルに変わる
それまでに蓄えた知識・技術・経験や、集団をまとめる利他性が社会を安定させ、子どもを教育する重要な要素になっていたのではないかと小林教授は言う
目がしょぼしょぼしたり、体力がなくなるのも利己から利他への意識の変化に必要なのだ
「老いたヒトが社会の役に立たないのなら、寿命が延びることはありませんでした。実際、チンパンジーはどんなに長生きしても、50歳を超えることはまずありません。チンパンジーの社会の中で老いたチンパンジーは必要とされなかったのでしょう」
◆人材、知財を流出させる「日本の定年制」
ヒトがなぜ長生きになったかというと、年長者が社会貢献的であったから
世の中には“老害”という言葉があるが、
「それは一部の高齢者に対してのことですよね。若い人にもよくない人はいるのに、“老害”と高齢者をひとくくりにしてバッシングするのは非常に危険です。まして日本のような高齢化が進む国では高齢者を負担だと思ったら、未来はないと思います」
経験を積んでバランスよく調整できる高齢者(シニア)は、今の日本では大事な資源
シニアを生かす社会システムが必要だと言う。
「そのためには、まず定年制のような年齢での差別はやめたほうがいいと思います。定年が決まっていると、全部そこから逆算して若い人にもいろいろな年齢制限がついてしまいます。
たとえば65歳定年だと、60歳で転職できない。私たち研究職も60歳を過ぎると、学位取得まで指導できない可能性もあり、新しい大学院生をとらなくなる。研究者の中には定年のない海外へ移ってしまう人もいる。人材も知財も流出してしまう。何もいいことはありません」
健康でいる間は働いたほうがいいと、小林教授は言う
「なぜ働きたくないのかというと仕事に生きがいがないから。そういう人のために転職がある。やりたい仕事なら楽しいし、好きだったら続けられる。定年制は転職の妨げにもなっています。1日も早くなくしたほうがいいと思います」
高齢化が進み、出生率の低下が問題となっている昨今、ヒトは昆虫のような生き方になる可能性があると小林教授は言う。
「ミツバチやアリは女王が子どもを産んで、働きバチや働きアリがそれを支える。集団として種を維持しようとしたとき、ミツバチやアリは分業しているんです。そういう選択をヒトもするようになるかもしれない」
子どもを産んだ人を社会が徹底的にサポートする社会
現実にそういうふうに進んでいる部分もある
生き残るために、老いることを選んできたヒト
これからどのような道を選んでいくのだろう
小林武彦
東京大学定量生命科学研究所教授
生命の連続性を支えるゲノムの再生(若返り)機構、ゲノムの再生メカニズムの不調が引き起こす細胞老化、ガン化の機構を研究
著書に『寿命はなぜ決まっているのか』(岩波ジュニア新書)、『DNAの98%は謎』(講談社ブルーバックス)、『生物はなぜ死ぬのか』『なぜヒトだけが老いるのか』(以上、講談社現代新書)など
取材・文:中川いづみ
(この記事は、FRIDAY DIGITALの記事で作りました)
[老人の知恵」などヒトは老人を大切にしてきたことが多い
年を取るとチャレンジ精神がなくなったりすることが多いし、体力なども落ちる
しかし、経験や知恵は増え、社会に貢献している
ヒトの寿命が延びたのは、医学の進歩もあるが、公共衛生や食事の充実なども大きいと思う
空気はヒトにとって必要不可欠だが、毎日の食事も重要だ
なぜなら「ヒトは食事で作られるから」
なぜヒトだけが老いるのか (講談社現代新書) 新書
なぜヒトだけが老いるのか
自然界の厳しさもあるかもしれませんが・・・
ヒトが老いる「意味」や「意義」について考える