2024年02月11日

わずか97光年先に「水の惑星」発見、地球型惑星探査に画期的な一歩

60億年前に形成された太陽系外惑星を取り巻いている、水を豊富に含む大気をハッブル宇宙望遠鏡(HST)で検出したとする研究結果が発表された
この系外惑星は、太陽系からわずか97光年の距離にある

米航空宇宙局(NASA)によると、この系外惑星「GJ9827d」は、直径が地球の約2倍で、太陽系の海王星と金星の両方と共通点がある
大気中で水蒸気が検出された系外惑星としては、これまでで最も小さい

■画期的な出来事

うお座の方向にあるGJ9827dでの水の発見は、画期的な出来事だ
今回の研究結果を発表した天文学者チームの1人で、独マックスプランク天文学研究所の太陽系外惑星大気物理学部門を統括するローラ・クライドバーグは、プレスリリースで「これにより、真の地球型惑星の特徴の解明に、かつてないほど近づくことになる」と述べている
今回の水蒸気の検出によって、銀河系内に存在する水が豊富な惑星に関する理解が飛躍的に前進するかもしれない
惑星に水があるかどうかは、生命存在の可能性を判断するうえで極めて重要な要素となると考えられるからだ

研究チームの1人で、カナダ・モントリオール大学のトロティエ太陽系外惑星研究所(iREx)のビョルン・ベネッケは「水を豊富に含む大気を持つ惑星が太陽系外の恒星系に実際に存在する可能性があることを、大気内での検出を通じて直接的に証明できるのは、今回が初めてだろう」と指摘している
「これは、岩石惑星の大気の保有率と多様性の解明に向けた重要な一歩だ」
今回の研究結果をまとめた論文は、The Astrophysical Jornal Lettersに掲載された

■高温多湿の惑星

GJ9827dは主星の近くに位置しているため、金星と同じくらい高温で、かつ多湿の惑星である可能性がある
だが、惑星大気の主成分が水なのか、それとも水素を多く含む希薄な大気なのかは、まだ判断がついていない
GJ9827dに関して問題となるのは、その年齢と主星との近さだ
形成されてから60億年が経過しているため、主星からの強力な放射のせいで、当初から存在していた水素の大半を失っているはずだ
「比較的小型の惑星を調査していると、ある時点で惑星上から水素がなくなり、二酸化炭素を主成分とする、金星により近い大気を持つようになる転換期があるに違いない」とベネッケは説明している

半分が水で半分が岩石の惑星である可能性も
■半分が水で半分が岩石

あるいは、別の可能性もある
GJ9827dは、水蒸気を含んだ、水素に富むエンベロープ(水素とヘリウムからなる外層ガス状領域)をいまだに保持している、ミニネプチューン(スーパーアースより大きく、海王星型惑星より小さい系外惑星)の可能性があると考えられる
もう1つの可能性としては、木星の衛星エウロパの気温を高くしたような天体かもしれない
エウロパの氷殻の下には地球の2倍の水が存在している
「GJ9827dは、半分が水で半分が岩石の惑星かもしれない」とベネッケは指摘する「小さな岩石質の本体の上部には、大量の水蒸気があるだろう」
もしGJ9827dGJ に水を豊富に含む大気が残っているとすれば、主星から遠く離れた場所で形成された後に、主星の近くまで移動したに違いない

研究チームは最近、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によるGJ9827dの観測を実施したため、間もなくさらに多くのことが明らかになる見通しだ
クライドバーグは「この観測データによって何が明らかになるのかをこの目で確認するのがとても待ち遠しい」と話している
「これで水の惑星の問題をきっぱりと解決できればいいのだが」

(この記事は、Forbes JAPANの記事で作りました)

太陽系から「わずか」97光年といってもこれは「宇宙規模」での話だ

「地球規模」では途方もなく長い距離だ

それだけ宇宙は壮大で巨大でスケールが違う

「水の惑星」となると、生命の存在などが気になる

いずれ「水の惑星」問題も解決するのか!?

地球外生命 9の論点 (ブルーバックス) 新書

水やアミノ酸などの生命の可能性が地球外でも発見されるようになり、地球外生命の存在が注目されている
地球外生命を考える「論点」をまとめる
posted by june at 12:40| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「世界のオザワ」指揮者の小澤征爾さん死去

日本を代表する指揮者で文化勲章受章者の小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、東京都内の自宅で心不全のため死去した
88歳
葬儀・告別式は近親者で営んだ
後日、お別れの会を開くことを検討している

1935年、旧満州奉天(現中国・瀋陽)生まれ
幼少からピアノを始め、桐朋学園短大指揮科で指揮者の斎藤秀雄に学んだ
卒業後に渡仏し、スクーターで各地を回り、59年ブザンソン国際青年指揮者コンクールで1位に
カラヤン、ミュンシュ、バーンスタインら世界的な指揮者に才能を認められて指導を受けた
バーンスタインの招きで米ニューヨーク・フィルの副指揮者となり、米シカゴ響、カナダ・トロント響など著名なオーケストラに次々と招かれるようになった
73年には38歳で名門米ボストン響の音楽監督となり、そこでの30年近い活動を通じて「世界のオザワ」と呼ばれる存在となった
恩師の名を冠した「サイトウ・キネン・オーケストラ」を創設し、92年からは長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」を毎年開催
チャイコフスキー、ベルリオーズなどの演奏に秀でたほか、現代音楽の演奏にも取り組んでメシアン、武満徹らの厚い信頼を得た

98年には長野冬季五輪の音楽監督に
2002年、日本人で初めて名門ウィーン・フィルの「ニューイヤーコンサート」を指揮し、同年、世界の歌劇場の最高峰であるウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任した
06年に帯状疱疹(ほうしん)で一時活動を休止したが、同年復帰
音楽監督を務めた新日本フィルとの共演や「小澤征爾音楽塾」での後進の育成、音楽祭「東京のオペラの森」の音楽監督など、晩年まで精力的な活動を国内外で続けた
08年に文化勲章、16年に米グラミー賞を受賞
筑波大名誉教授の小澤俊夫さんは兄、俳優の小澤幹雄さんは弟、俳優の小澤征悦(ゆきよし)さんは息子、エッセイストの小澤征良(せいら)さんは娘、ミュージシャンの小沢健二さんはおい

著書に「ボクの音楽武者修行」など
1972年に日本芸術院賞、2003年サントリー音楽賞、08年に文化勲章、16年に米グラミー賞を受賞した

(この記事は、東京新聞の記事で作りました)

小澤征爾さんは、大学卒業後、当時は珍しかった海外音楽修行をした人物だ

海外武者修行の先駆けといえる

ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタインという巨匠に師事したことでも知られる

1973年に名門シカゴ交響楽団の音楽監督に就任
30年近く務め、「世界のオザワ」といわれるように

2002年に名門ウィーンフィルの「ニューイヤーコンサート」を日本人で初めて指揮し、同年にオペラの最高峰・ウィーン国立歌劇場の音楽監督に東洋人で初めて就任

最高峰へ

主な受賞は他に2011年に世界文化賞を受賞

音楽普及、後進の指導も熱心だった

クラシックだけでなく現代音楽にも

サイトウ・キネン・オーケストラの指揮などにも取り組んだ

「世界のオザワ」の呼称が似合う世界的な指揮者だった

小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫) 文庫

小澤征爾さんと村上春樹さん
指揮者と小説家のトップランナー同士の異色対談
posted by june at 03:35| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする