15日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)は、7営業日続伸で、終値は前日比56ドル81セント高の3万7305ドル16セントと3日連続史上最高値更新
ハイテク株中心のナスダックは52.36ポイント高の1万4813.92
15日(日本時間)の日経平均株価は反発、終値は前日比284円30銭高の3万2970円55銭
(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
2023年12月16日
観測史上最も遠い超大質量ブラックホール「UHZ-1」を発見
多くの銀河の中心部に存在する「超大質量ブラックホール」の起源は多くの謎に包まれています
長年の研究で、超大質量ブラックホールは小さなブラックホールから成長して形成されたと考えられるようになってきましたが、その “種” となるブラックホールは、恒星の重力崩壊 (※1) によって生じた軽いブラックホールであるという説と、初期の宇宙にあった巨大なガス雲の重力崩壊で生じた重いブラックホールであるという説の2つが対立していました
※1・・・重力があまりにも強くなり、他の力 (電磁相互作用や縮退圧など) で重力に対抗できず、無限に潰れてしまう状態を重力崩壊と呼びます
プリンストン大学のAndy D. Goulding氏などの研究チームは、以前から注目されていたクエーサー (※2) 「UHZ-1」を「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」で観測し、詳細なデータを得ました
その結果、UHZ-1は宇宙誕生から約4億6000万年後の時代に存在した銀河であること、中心部にあるブラックホールの質量が太陽の1000万~1億倍であることを明らかにしました
この発見は、最も遠い超大質量ブラックホールであるだけでなく、超大質量ブラックホールの “種” は巨大なガス雲の重力崩壊で生じたという説を後押しするものです
※2・・・クエーサーは、その活発な活動から、中心部に超大質量ブラックホールがあるとされている天体であり、銀河の初期形態であるとも考えられています
資料によってはUHZ-1を活動銀河核 (AGN) と表現するものもありますが、ほとんど同じような構造をしている天体であるため、この記事ではUHZ-1の分類をクエーサーとします
■超大質量ブラックホールの “種” は何か?
私たちの天の川銀河を始め、多くの銀河の中心部には太陽の数百万倍から数百億倍もの質量を持つ「超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)」が存在します
ブラックホールの生成過程としてよく知られている、恒星の中心核の重力崩壊で生じる「恒星ブラックホール(恒星質量ブラックホール)」は、太陽の数倍から数十倍の質量しかないため、超大質量ブラックホールとはスケールに大幅な差があります
超大質量ブラックホールがどのように形成されたのかは大きな謎です
遠方の宇宙、つまり初期の宇宙を観測すると「クエーサー」が見つかるため、超大質量ブラックホールは宇宙の誕生から間もないころに、あまり時間をかけずに形成されたと考えられています
では、超大質量ブラックホールはどのように作られたのでしょうか?
長年の研究から、超大質量ブラックホールはもっと小さなブラックホールがガスなどを吸収して質量を増やしたというシナリオが有力視されています
その場合、超大質量ブラックホールへと成長するための “種” となるブラックホールの起源が問題となります
これまでの研究で有力視されている “種” についての説は2つあります
1つ目は、初期の宇宙に存在した非常に重い恒星から生じたブラックホールであるという説です
この場合、初期の質量は太陽の10~100倍とかなり小さな値となります
この説は、恒星の重力崩壊というよく知られているシナリオから生じるため、多くの詳細が判明しています
しかし一方で、どんなに速くても成長に数億年かかるという問題もあり、一部のクエーサーはこのシナリオでは時間的に間に合わない初期の宇宙に存在します
2つ目は、「直接崩壊ブラックホール(Direct collapse black hole)」と呼ばれるブラックホールであるとする説です
初期の宇宙には非常に巨大で濃密なガス雲が存在していたと考えられており、自身の重力で崩壊してブラックホールを生じる場合もあります
この場合、恒星の質量限界を大幅に超える、最大で太陽の10万倍もの質量を持つブラックホールが生じます
この説は、1つ目の説よりも素早く質量の大きなブラックホールが形成されるという利点があります
しかし一方で、巨大なガス雲が巨大なブラックホールを生み出す環境を整えるには、いくつかの厳しい条件を満たす必要があるため、条件を満たしたガス雲が数多く存在するのか不明であるという問題があります
■「UHZ-1」に最も遠い超大質量ブラックホールを発見
Goulding氏らの研究チームは、地球から見て「ちょうこくしつ座」の方向にあるクエーサー「UHZ-1」の研究を行いました
UHZ-1は既にNASA (アメリカ航空宇宙局) のX線天文台「チャンドラ」によって観測されており、興味深い対象として見られていたものの、解像度の限界や正確な距離など、詳しい研究を行うためのデータが不足しているという問題がありました
Goulding氏らは、ウェッブ宇宙望遠鏡でUHZ-1を観測し、詳細なデータを収集して分析を行いました
その結果、UHZ-1の赤方偏移はZ=10.o73±0.002と計測されました
これは地球から315億光年離れた位置にある、今から133億2000万年前の時代、つまり宇宙誕生から4億6000万年後の時代に存在した天体であることを意味します (※3)
※3・・・この記事における天体の距離は、光が進んだ宇宙空間が、宇宙の膨張によって引き延ばされたことを考慮した「共動距離」での値です
これに対し、光が進んだ時間を単純に掛け算したものは「光行距離(または光路距離)」と呼ばれます
また、2つの距離の表し方が存在することによる混乱や、距離計算に必要な数値にも様々な解釈が存在するため、論文内で遠方の天体の距離や存在した時代を表すには一般的に「赤方偏移(記号z)」が使用されます
そして、UHZ-1は毎秒5×10の38乗Jのエネルギーを放出しており、このことからUHZ-1には太陽の1000万~1億倍の質量のブラックホールがあると推定されました
これは観測史上最も遠い超大質量ブラックホールの発見です
また、UHZ-1に属する恒星の総質量は太陽の1億4000万倍と推定されており、UHZ-1の恒星と超大質量ブラックホールの質量はほぼ同じと、ブラックホールが占める割合が非常に高い銀河であることを示しています
このような極端な比率は、巨大なガス雲が重力崩壊してブラックホールが生じた状況に良くあてはまります
そして、UHZ-1の観測データは典型的なクエーサーや活動銀河核とは異なるものであることも分かりました
これは、UHZ-1のブラックホールが濃い塵に隠されていること、そして星形成が進んでいることと一致します
■初期宇宙の謎を次々に明らかにするウェッブ宇宙望遠鏡
今回のUHZ-1の観測データは、超大質量ブラックホールがガス雲の重力崩壊で発生したブラックホールを “種” にしている可能性を高める発見です
しかし、初期宇宙にはまだ多くの謎があり、その謎を解くとされるウェッブ宇宙望遠鏡の観測も始まったばかりです
今回のUHZ-1の観測データを含め、さらなる研究は初期宇宙の様子という究極の疑問に答えるために重要です
Source
Ákos Bogdán, et al. “Evidence for heavy-seed origin of early supermassive black holes from a z ≈ 10 X-ray quasar”. (Nature Astronomy) (arXiv)
Andy D. Goulding, et al. “UNCOVER: The Growth of the First Massive Black Holes from JWST/NIRSpec―Spectroscopic Redshift Confirmation of an X-Ray Luminous AGN at z = 10.1”. (The Astrophysical Journal Letters)
“Webb Telescope Gets a Closer Look at the Massive Black Hole Enigmatic UHZ-1”. (James Webb Discoveries)
“NASA Telescopes Discover Record-Breaking Black Hole”. (Chandra X-ray Observatory)]
(この記事は、宇宙へのポータルサイトsoraeの記事で作りました)
最強最新のウェッブ宇宙望遠鏡による観測技術の進歩により宇宙の謎、今回の場合は初期宇宙の謎が明らかになってきています
しかし、宇宙の謎、謎が解明され新たな謎も出ており、今後の観測の進展、謎の解明の進展が期待されます
ブラックホールは天才・アインシュタインの一般相対性理論などによってその存在が予言され、その後の実験、観測、実証などで存在が証明されています
国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ 単行本(ソフトカバー)
ブラックホールは時間や光でもさえのみこむ「凄い」やつ
そんなブラックホールの「凄さ」、「不思議さ」、「謎」などを分かりやすく解説
ブラックホールの謎は徐々に解明されていますがまだまだ謎の多い天体です
長年の研究で、超大質量ブラックホールは小さなブラックホールから成長して形成されたと考えられるようになってきましたが、その “種” となるブラックホールは、恒星の重力崩壊 (※1) によって生じた軽いブラックホールであるという説と、初期の宇宙にあった巨大なガス雲の重力崩壊で生じた重いブラックホールであるという説の2つが対立していました
※1・・・重力があまりにも強くなり、他の力 (電磁相互作用や縮退圧など) で重力に対抗できず、無限に潰れてしまう状態を重力崩壊と呼びます
プリンストン大学のAndy D. Goulding氏などの研究チームは、以前から注目されていたクエーサー (※2) 「UHZ-1」を「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」で観測し、詳細なデータを得ました
その結果、UHZ-1は宇宙誕生から約4億6000万年後の時代に存在した銀河であること、中心部にあるブラックホールの質量が太陽の1000万~1億倍であることを明らかにしました
この発見は、最も遠い超大質量ブラックホールであるだけでなく、超大質量ブラックホールの “種” は巨大なガス雲の重力崩壊で生じたという説を後押しするものです
※2・・・クエーサーは、その活発な活動から、中心部に超大質量ブラックホールがあるとされている天体であり、銀河の初期形態であるとも考えられています
資料によってはUHZ-1を活動銀河核 (AGN) と表現するものもありますが、ほとんど同じような構造をしている天体であるため、この記事ではUHZ-1の分類をクエーサーとします
■超大質量ブラックホールの “種” は何か?
私たちの天の川銀河を始め、多くの銀河の中心部には太陽の数百万倍から数百億倍もの質量を持つ「超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)」が存在します
ブラックホールの生成過程としてよく知られている、恒星の中心核の重力崩壊で生じる「恒星ブラックホール(恒星質量ブラックホール)」は、太陽の数倍から数十倍の質量しかないため、超大質量ブラックホールとはスケールに大幅な差があります
超大質量ブラックホールがどのように形成されたのかは大きな謎です
遠方の宇宙、つまり初期の宇宙を観測すると「クエーサー」が見つかるため、超大質量ブラックホールは宇宙の誕生から間もないころに、あまり時間をかけずに形成されたと考えられています
では、超大質量ブラックホールはどのように作られたのでしょうか?
長年の研究から、超大質量ブラックホールはもっと小さなブラックホールがガスなどを吸収して質量を増やしたというシナリオが有力視されています
その場合、超大質量ブラックホールへと成長するための “種” となるブラックホールの起源が問題となります
これまでの研究で有力視されている “種” についての説は2つあります
1つ目は、初期の宇宙に存在した非常に重い恒星から生じたブラックホールであるという説です
この場合、初期の質量は太陽の10~100倍とかなり小さな値となります
この説は、恒星の重力崩壊というよく知られているシナリオから生じるため、多くの詳細が判明しています
しかし一方で、どんなに速くても成長に数億年かかるという問題もあり、一部のクエーサーはこのシナリオでは時間的に間に合わない初期の宇宙に存在します
2つ目は、「直接崩壊ブラックホール(Direct collapse black hole)」と呼ばれるブラックホールであるとする説です
初期の宇宙には非常に巨大で濃密なガス雲が存在していたと考えられており、自身の重力で崩壊してブラックホールを生じる場合もあります
この場合、恒星の質量限界を大幅に超える、最大で太陽の10万倍もの質量を持つブラックホールが生じます
この説は、1つ目の説よりも素早く質量の大きなブラックホールが形成されるという利点があります
しかし一方で、巨大なガス雲が巨大なブラックホールを生み出す環境を整えるには、いくつかの厳しい条件を満たす必要があるため、条件を満たしたガス雲が数多く存在するのか不明であるという問題があります
■「UHZ-1」に最も遠い超大質量ブラックホールを発見
Goulding氏らの研究チームは、地球から見て「ちょうこくしつ座」の方向にあるクエーサー「UHZ-1」の研究を行いました
UHZ-1は既にNASA (アメリカ航空宇宙局) のX線天文台「チャンドラ」によって観測されており、興味深い対象として見られていたものの、解像度の限界や正確な距離など、詳しい研究を行うためのデータが不足しているという問題がありました
Goulding氏らは、ウェッブ宇宙望遠鏡でUHZ-1を観測し、詳細なデータを収集して分析を行いました
その結果、UHZ-1の赤方偏移はZ=10.o73±0.002と計測されました
これは地球から315億光年離れた位置にある、今から133億2000万年前の時代、つまり宇宙誕生から4億6000万年後の時代に存在した天体であることを意味します (※3)
※3・・・この記事における天体の距離は、光が進んだ宇宙空間が、宇宙の膨張によって引き延ばされたことを考慮した「共動距離」での値です
これに対し、光が進んだ時間を単純に掛け算したものは「光行距離(または光路距離)」と呼ばれます
また、2つの距離の表し方が存在することによる混乱や、距離計算に必要な数値にも様々な解釈が存在するため、論文内で遠方の天体の距離や存在した時代を表すには一般的に「赤方偏移(記号z)」が使用されます
そして、UHZ-1は毎秒5×10の38乗Jのエネルギーを放出しており、このことからUHZ-1には太陽の1000万~1億倍の質量のブラックホールがあると推定されました
これは観測史上最も遠い超大質量ブラックホールの発見です
また、UHZ-1に属する恒星の総質量は太陽の1億4000万倍と推定されており、UHZ-1の恒星と超大質量ブラックホールの質量はほぼ同じと、ブラックホールが占める割合が非常に高い銀河であることを示しています
このような極端な比率は、巨大なガス雲が重力崩壊してブラックホールが生じた状況に良くあてはまります
そして、UHZ-1の観測データは典型的なクエーサーや活動銀河核とは異なるものであることも分かりました
これは、UHZ-1のブラックホールが濃い塵に隠されていること、そして星形成が進んでいることと一致します
■初期宇宙の謎を次々に明らかにするウェッブ宇宙望遠鏡
今回のUHZ-1の観測データは、超大質量ブラックホールがガス雲の重力崩壊で発生したブラックホールを “種” にしている可能性を高める発見です
しかし、初期宇宙にはまだ多くの謎があり、その謎を解くとされるウェッブ宇宙望遠鏡の観測も始まったばかりです
今回のUHZ-1の観測データを含め、さらなる研究は初期宇宙の様子という究極の疑問に答えるために重要です
Source
Ákos Bogdán, et al. “Evidence for heavy-seed origin of early supermassive black holes from a z ≈ 10 X-ray quasar”. (Nature Astronomy) (arXiv)
Andy D. Goulding, et al. “UNCOVER: The Growth of the First Massive Black Holes from JWST/NIRSpec―Spectroscopic Redshift Confirmation of an X-Ray Luminous AGN at z = 10.1”. (The Astrophysical Journal Letters)
“Webb Telescope Gets a Closer Look at the Massive Black Hole Enigmatic UHZ-1”. (James Webb Discoveries)
“NASA Telescopes Discover Record-Breaking Black Hole”. (Chandra X-ray Observatory)]
(この記事は、宇宙へのポータルサイトsoraeの記事で作りました)
最強最新のウェッブ宇宙望遠鏡による観測技術の進歩により宇宙の謎、今回の場合は初期宇宙の謎が明らかになってきています
しかし、宇宙の謎、謎が解明され新たな謎も出ており、今後の観測の進展、謎の解明の進展が期待されます
ブラックホールは天才・アインシュタインの一般相対性理論などによってその存在が予言され、その後の実験、観測、実証などで存在が証明されています
国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ 単行本(ソフトカバー)
ブラックホールは時間や光でもさえのみこむ「凄い」やつ
そんなブラックホールの「凄さ」、「不思議さ」、「謎」などを分かりやすく解説
ブラックホールの謎は徐々に解明されていますがまだまだ謎の多い天体です
2023年12月15日
NY株は、6営業日続伸、史上最高値更新
14日(現地時間)のNY株(ダウ平均株価)は、6営業日続伸で史上最高値を更新し、終値は前日比158ドル11セント高の3万7248ドル35セント
ハイテク株中心のナスダックは27.56ポイント高の1万4761.56
14日(日本時間)の日経平均株価は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比240円10銭安の3万2686円25銭
(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
ハイテク株中心のナスダックは27.56ポイント高の1万4761.56
14日(日本時間)の日経平均株価は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比240円10銭安の3万2686円25銭
(この記事は、ネットニュースの記事で作りました)
「鬼」という概念がどのように日本全国に広まったのか?
「鬼」という概念がどのように日本全国に広まったのか?
その系譜をたどる
■仏教の普及とともに鬼が日本全土に広まる
『日本書紀』には「邪しき神」を「邪しき鬼」とする
これは「おに」ではなく「カミ」や「モノ」と読んだ
つまり目に見えない、得体の知れぬ恐ろしいモノだったが、これがなぜ「オニ」と訓読みされ、漢字の「鬼」の字があてられたのかは、今もって決定的な説がない
ただ、中国語の鬼(グゥイ)が、日本でいう「幽霊」に近いものであるというのは、鬼の成り立ちを考えるうえで重要だ
インドから中国を経由して日本にもたらされた仏教も「鬼」を重く扱う
サンスクリット語のプレータの訳語に「餓鬼」や「鬼」の字があてられる
古代インドにおいて餓鬼の物語を綴った『餓鬼事経(がきじきょう)』では、六道(ろくどう)のなかの餓鬼道にヤクシャ(夜叉)、ラークシャサ(羅刹)など凶暴な精霊がいるとする
『往生要集(おうじょうようしゅう)』では牛の頭をした牛頭(ごず)・馬の頭をした馬頭(めず)という鬼や、羅刹(らせつ)という鬼が地獄の獄卒(ごくそつ)として描かれる
平安時代末期の公卿(くぎょう)・藤原頼長(ふじわらよりなが)は日記『台記』に鳥羽法皇が病にかかったのは祖父・白河法皇の「鬼」に憑かれたものであると記した
そのように日本でも平安貴族などの教養人が、本来のものと思われる死霊の意味で「鬼」という言葉を用いていた例がある
鬼の概念の変遷にともない、文献に描かれる鬼の姿や性質も変容していった
平安時代の『伊勢物語』や『今昔物語集』などにあらわれる「鬼」は、すべて目に見えない存在として描かれている
それが鎌倉時代の『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』になると、伊豆の離島に漂着した巨大で異様な姿の異人を「鬼」と記すようになる
『百鬼夜行絵巻』にはさまざまな姿の鬼が描かれるが、室町時代になると鬼の図像化が進み、今日の鬼のイメージの原型ともいえるような鬼の姿が見られるようになる
鬼たちがすむ鬼ヶ島といえば昔話の「桃太郎」が有名だが、14世紀に成立した『保元物語』に鬼島が出てくる
そこに源為朝(ためとも)が上陸すると、図体のでかい鬼の子孫と出会う
彼らは昔あったという隠蓑(かくれみの)・隠笠・浮履(うき)といった宝物を失くし、神通力も失っている
同じ14世紀には酒呑童子が登場する『大江山絵詞』も制作された
目に見えない存在であったものが、室町時代あたりから多様化し、また擬人化も進んでいったことが想像できよう
修二会(しゅにえ)や節分で鬼を追い払う豆まきの習慣は中国の追儺(ついな)を起源とする行事である
子どもの遊び「鬼ごっこ」、狂言「鬼瓦」などと呼び、「鬼に金棒」「鬼が笑う」という言葉もある
さまざまな姿形で、鬼は庶民の生活に深く浸透しているのである
監修・文 八木透/上永哲矢
歴史人2023年6月号「鬼と呪術の日本史」より
(この記事は、歴史人の記事で作りました)
鬼は、日本に伝来した初期は姿形のない得体の知れぬ恐れるものだったが、時代の経過とともに姿形がはっきりする
神の使い(例えば地獄の閻魔様の手下)、悪魔、怖いもの、病気、天災、死霊、邪悪な者、外国人、能力者、力持ちの総称だったりするなど庶民の生活に浸透していった
鬼と日本人の歴史 (ちくまプリマー新書 422) 新書
鬼はさまざまな形、状態などで日本人の生活に浸透していった
基本的には恐れるもの
その系譜をたどる
■仏教の普及とともに鬼が日本全土に広まる
『日本書紀』には「邪しき神」を「邪しき鬼」とする
これは「おに」ではなく「カミ」や「モノ」と読んだ
つまり目に見えない、得体の知れぬ恐ろしいモノだったが、これがなぜ「オニ」と訓読みされ、漢字の「鬼」の字があてられたのかは、今もって決定的な説がない
ただ、中国語の鬼(グゥイ)が、日本でいう「幽霊」に近いものであるというのは、鬼の成り立ちを考えるうえで重要だ
インドから中国を経由して日本にもたらされた仏教も「鬼」を重く扱う
サンスクリット語のプレータの訳語に「餓鬼」や「鬼」の字があてられる
古代インドにおいて餓鬼の物語を綴った『餓鬼事経(がきじきょう)』では、六道(ろくどう)のなかの餓鬼道にヤクシャ(夜叉)、ラークシャサ(羅刹)など凶暴な精霊がいるとする
『往生要集(おうじょうようしゅう)』では牛の頭をした牛頭(ごず)・馬の頭をした馬頭(めず)という鬼や、羅刹(らせつ)という鬼が地獄の獄卒(ごくそつ)として描かれる
平安時代末期の公卿(くぎょう)・藤原頼長(ふじわらよりなが)は日記『台記』に鳥羽法皇が病にかかったのは祖父・白河法皇の「鬼」に憑かれたものであると記した
そのように日本でも平安貴族などの教養人が、本来のものと思われる死霊の意味で「鬼」という言葉を用いていた例がある
鬼の概念の変遷にともない、文献に描かれる鬼の姿や性質も変容していった
平安時代の『伊勢物語』や『今昔物語集』などにあらわれる「鬼」は、すべて目に見えない存在として描かれている
それが鎌倉時代の『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』になると、伊豆の離島に漂着した巨大で異様な姿の異人を「鬼」と記すようになる
『百鬼夜行絵巻』にはさまざまな姿の鬼が描かれるが、室町時代になると鬼の図像化が進み、今日の鬼のイメージの原型ともいえるような鬼の姿が見られるようになる
鬼たちがすむ鬼ヶ島といえば昔話の「桃太郎」が有名だが、14世紀に成立した『保元物語』に鬼島が出てくる
そこに源為朝(ためとも)が上陸すると、図体のでかい鬼の子孫と出会う
彼らは昔あったという隠蓑(かくれみの)・隠笠・浮履(うき)といった宝物を失くし、神通力も失っている
同じ14世紀には酒呑童子が登場する『大江山絵詞』も制作された
目に見えない存在であったものが、室町時代あたりから多様化し、また擬人化も進んでいったことが想像できよう
修二会(しゅにえ)や節分で鬼を追い払う豆まきの習慣は中国の追儺(ついな)を起源とする行事である
子どもの遊び「鬼ごっこ」、狂言「鬼瓦」などと呼び、「鬼に金棒」「鬼が笑う」という言葉もある
さまざまな姿形で、鬼は庶民の生活に深く浸透しているのである
監修・文 八木透/上永哲矢
歴史人2023年6月号「鬼と呪術の日本史」より
(この記事は、歴史人の記事で作りました)
鬼は、日本に伝来した初期は姿形のない得体の知れぬ恐れるものだったが、時代の経過とともに姿形がはっきりする
神の使い(例えば地獄の閻魔様の手下)、悪魔、怖いもの、病気、天災、死霊、邪悪な者、外国人、能力者、力持ちの総称だったりするなど庶民の生活に浸透していった
鬼と日本人の歴史 (ちくまプリマー新書 422) 新書
鬼はさまざまな形、状態などで日本人の生活に浸透していった
基本的には恐れるもの
2023年12月14日
モーツァルト「レクイエム」生誕の城が競売へ 予想は16億円
モーツァルトの最後の作品「レクイエム」生誕の地とされる、オーストリアのシュトゥパッハ城が2日、競売にかけられる
オークションを運営するサイトによると、城は最大16億円ほどで落札されると予想されている
同サイトによると、かつて城に住んでいたバルゼック伯爵が、1791年に亡くなった妻のためにモーツァルトにレクイエムの作曲を依頼
作品は未完のままでモーツァルトが亡くなり、弟子が完成させた
楽譜は長年城に保管されていたという
城は、バロック様式の庭つきの4階建てで、映画館や四つの寝室など、50の部屋がある
約900年前から存在が確認されており、各国の高官が社交場として集う場所だった
モーツァルトやシューベルトも演奏を行ったとされる
米国の不動産ニュースサイトによると、廃虚になっていた城を1996年に購入した人物が、城でコンサートイベントなどを開催してきたが、後継ぎがいないため、オークションにかけて引き渡すことに決めたという
(この記事は、朝日新聞DIGITALの記事で作りました)
映画「アマデウス」では、モーツァルトはある男(実はサリエリ)から「レクイエム」の依頼を受ける
この依頼以来、モーツァルトは体調がどんどん弱り、やがて死に至る
映画では、モーツァルト(の才能に)に、嫉妬・葛藤などしたサリエリが作品制作依頼でモーツァルトを追い込み死に至らしめた
アマデウス ディレクターズカット [Blu-ray]
映画「アマデウス」のディレクターズカットのBlu-ray
天才・モーツァルトに嫉妬・葛藤した秀才・サリエリを描く
オークションを運営するサイトによると、城は最大16億円ほどで落札されると予想されている
同サイトによると、かつて城に住んでいたバルゼック伯爵が、1791年に亡くなった妻のためにモーツァルトにレクイエムの作曲を依頼
作品は未完のままでモーツァルトが亡くなり、弟子が完成させた
楽譜は長年城に保管されていたという
城は、バロック様式の庭つきの4階建てで、映画館や四つの寝室など、50の部屋がある
約900年前から存在が確認されており、各国の高官が社交場として集う場所だった
モーツァルトやシューベルトも演奏を行ったとされる
米国の不動産ニュースサイトによると、廃虚になっていた城を1996年に購入した人物が、城でコンサートイベントなどを開催してきたが、後継ぎがいないため、オークションにかけて引き渡すことに決めたという
(この記事は、朝日新聞DIGITALの記事で作りました)
映画「アマデウス」では、モーツァルトはある男(実はサリエリ)から「レクイエム」の依頼を受ける
この依頼以来、モーツァルトは体調がどんどん弱り、やがて死に至る
映画では、モーツァルト(の才能に)に、嫉妬・葛藤などしたサリエリが作品制作依頼でモーツァルトを追い込み死に至らしめた
アマデウス ディレクターズカット [Blu-ray]
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天才・モーツァルトに嫉妬・葛藤した秀才・サリエリを描く